今回は、マウスやキーボードなどの入力機器を豊富に揃えるパソコンショップ アークに、パソコンのある机周りの環境を向上させる人気アイテムを尋ねました。

コロナ禍でリモートワーク需要がにわかに高まった2020年、このくくりで目立って売れたのはWebカメラでしたが、今年は様相が異なるとか。スタッフの磯田尚輝氏は「昨年はリモートワーク環境を整える需要でしたが、今年は快適なリモート環境を整える需要が高まっています。最低限のものは揃っているから、より良くなるものを求める、という流れだと思います」といいます。

  • パソコンショップ アークのPC周辺機器売り場。店舗スタッフの磯田尚輝氏に解説してもらった

リモートワークに直結するものにPCゲーム需要の高まりも重なり、机周りには新たなトレンドがいくつも生まれているようです。「机周りを快適に強化するポイント三カ条」を踏まえて、売れ筋アイテムを見ていきましょう。

<机周りを快適に強化するポイント三カ条>

  • Web会議環境を整えるなら、まず音質の改善を。予算があれば、コンデンサーマイクを導入するのがおすすめ。
  • 腱鞘炎や肩こりを防ぐなら、リストレストを導入するのも有効な手段。手首の負担が減らせる。
  • ゲーミングはマウス操作の領域を広く取るのがトレンド。デスクマットやUSB切替器が味方になる。

※本文と写真で掲載している価格は、2021年8月10日16:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

マイク:1万円を切るコンデンサーマイク、HyperX「SoloCast」が定番

高品質マイクは、かねてからゲーム実況配信などを目的とした人に売れていましたが、コロナ禍以降は会議用に購入するビジネスパーソンが増えたそうです。「音質によって情報の伝わりやすさや、相手の聞き取りの苦労が変わってきますからね。少しでも快適に、少しでも誤解を生まない環境を求めて、良いマイクを探している人は多くと感じます」

なかでも定番となっているのが、HyperXの「SoloCast」です。高音質なUSBコンデンサーマイクで、専用のスタンドを同梱しています。価格は7,980円。

「コンデンサーマイクで1万円を切っていて、スタンド込みでもコンパクトなのが魅力ですね。机周りのスペースを埋めずに音質がグッと高められます。『とりあえずコレを買っておけば安心』ということで、ゲーマーの方も仕事で使う方もよく指名買いしていきます」

  • HyperX「SoloCast」

ヘッドセット:2020年から売れ続ける、EPOS「PC CHAT」シリーズ

コンデンサーマイクと同様に、ヘッドセットの需要も安定してあるといいます。「Webカメラと同じく、2020年に爆発的に需要が増えました。当時と比べたら落ちるものの、探しに来る方は途絶えていません」

そこで定番になっているのが、ゼンハイザーのゲーミング部門が分社化したEPOS(イーポス)の「PC CHAT」シリーズとのこと。3.5mm径のイヤホンジャックとマイクジャックを備える「PC 3 CHAT」のほか、マイクとオーディオをまとめた3.5mm 4極ジャックを備える「PC 5 CHAT」、USB接続の「PC 8 USB」など、端子のタイプによってバリエーションがあります。価格は2,590~4,111円でした。

「ヘッドホンにもマイクにも定評のある老舗メーカーのノウハウが詰まっているので、低価格でも信頼感があります。スタッフとしても勧めやすいシリーズですね」

  • EPOS「PC 5 CHAT」と「PC 3 CHAT」

リストレスト:1,000円強の「Standard Wrist Rest」をベースに多彩に売れる

ビジネス用途では、キーボード手前に置いて手首のクッションに使うリストレストも人気です。「会社にいるとき以上に長時間パソコンと向き合う人も多く、手首や肩のダメージを抑えるために買われていきます。こちらはゲーム用途ではなく、完全にオフィス用途だと思います」

売れ筋はばらつきがあるものの、S/M/Lサイズがどれでも1,329円で買えるARCHISS(アーキス)の「Standard Wrist Rest」がとくに売れているそうです。次いで、4,480~5,380円の同社上位モデル「Premium Wrist Rest」や、クールジェルを採用した2,981円のHyperX「Wrist Rest」などもヒットしているとか。

  • ARCHISS「Standard Wrist Rest」

  • ARCHISS「Premium Wrist Rest」

  • HyperX「Wrist Rest」

マウスパッド:机全体を覆う巨大な「デスクマット」の人気が上昇中

ゲーミング用途では、大きなサイズのマウスパッドが人気を集めるようになっています。幅1m級の“デスクマット”を導入し、机全体をマウスパッド化する人も珍しくないそうです。「少し前までは幅30cm程度のサイズが定番でしたが、ここ数年でマウスを広く動かしたいというニーズが高まってきたと感じます」

デスクマット級で売れているのは、幅122cmで外周がLEDで光るSteelSeriesの「QcK Prism Cloth 3XL」と、Fnatic Gearの幅95cmタイプ「DASH XD」。価格は順に14,520円と6,590円でした。

  • SteelSeries「QcK Prism Cloth 3XL」

  • Fnatic Gear「DASH XD」

USB切替器:2台のPCで4つのUSB機器が使える「USW-01」

じわじわと需要が伸びているのが、USB切替器です。キーボードやマウスなどの入力機器を複数のパソコンで切り替えて使えるスイッチで、直近の売れ筋はアイネックスの「USW-01」とのこと。4台のUSB機器(USB 2.0 Type-A)が接続できる仕様で、価格は2,580円でした。

「どのパソコンでも、好みのキーボードやマウス、ヘッドセットなどが使えます。2セット用意するよりも机周りがすっきりしますし、経済的でもあります。これまでも根強い需要がありましたが、テレワーク需要でさらに伸びている感がありますね」

  • アイネックス「USW-01」

はみ出し情報……机周りの彩りに売れる「キーキャップ」

そのほかの机周りのトレンドとして、カラーリングやデザインにこだわる動きも強まっているそうです。そのなかで、最近はキーキャップがよく売れているそうです。

「マウスやヘッドセットに比べるとピンポイントでの交換が可能で、簡単に自分流のおしゃれが楽しめるのが魅力です。ゲームでよく使うキーだけ滑り止めタイプにするなど、実用性を兼ねた選び方もできますよ」

  • 同店のキーキャップ売り場