Micron Technologyが発表した2021年度第3四半期(2021年3~5月)の決算概要によると、売上高は前年同期比36%増、前四半期期比19%増の74億2200万ドル、純利益は前年同期比84%増の17億4000万ドルだったという。また、同年度第4四半期(6~8月)の売上高については、前四半期比10%増の約82億ドルとの予想を出している。

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    Micronの2021年度第3四半期の業績概要と第4四半期のガイダンス (出所:Micron Webサイト)

アプリケーション市場全体でメモリに対する需要が強かった結果が、同四半期の高い売上高達成になったと同社の社長兼CEOのSanjay Mehrotra氏は説明しており、その結果として「生産の重要な部分を占めているのは1α-nm DRAMと176層NANDフラッシュで、これらを武器にデータセンター、インテリジェントエッジ、およびユーザーデバイス全体の長期的な需要トレンドに即してこれまでで最高の位置にある」と述べている。

また、同氏は、決算発表後のアナリストとの電話ミーティングにおいて「マレーシアでのロックダウンに伴う供給混乱に加え、自動車やコンピュータ、産業分野の顧客がメモリ以外の半導体を十分に確保できず、最終製品を思い通りに生産できなかったとのことで、それがメモリの受注に影響を与えた」とし、本来ならもっと売り上げを伸ばせた可能性があることを指摘している。また、「DRAM、NANDともに、需要の増加で価格は上昇傾向にあるが、将来的な供給混乱のリスク緩和や高額な製品への製造シフトのために一部の製造コストも上昇しつつある」としている。

Micron Technologyは、競合の韓国勢とは異なり、1α-nm DRAMの製造にEUVリソグラフィは採用せず、EUVの導入には慎重な姿勢を取ってきたが、今回、2024年からEUVをDRAM製造に導入する計画であることを明らかにした。具体的には、1γ-nmプロセスからEUVを適用し、その後継となる1δ-nmでは適用レイヤ数をさらに増やす計画だという。同社はすでにASMLとEUV露光装置の長期購入契約を締結しており、前払金についても2021~22年度の設備投資費用に折り込み込済みだという。

すでにTSMC、SamsungがEUVを半導体の量産に活用しているほか、Intelが7nm MPU製造で多くのレイヤにEUVを導入することを計画、SK Hynixも1α-nm DRAM製造にEUVを導入しテスト生産を始めており、今後、製造元であるASMLの限られた生産能力を巡ってEUV露光装置の奪い合いが激化することが考えられる。