TrendForceの予測によると、2021年第2四半期のDRAM価格は、ピークシーズンで需要が増加することから、前四半期比で18〜23%ほど上昇するという。

同社によると、DRAMサプライヤと主要PCメーカー各社は現在、2021年第2四半期の大口契約価格についての交渉を進める重要な時期で、またこれらの交渉は完了していないものの、主流となっているDDR4 1G×8 2666Mbpsモジュールの平均価格は、すでに前四半期比25%近くまで上昇しているという。これは、同社の従来予測である「ほぼ20%」よりも高い上昇率で、DDR3/4特殊DRAM、モバイルDRAM、グラフィックスDRAM、サーバDRAM、PC DRAMなど、さまざまなDRAM製品カテゴリで以前の予測よりも価格が上昇しているとみられるという。

こうした動きを受けてTrendForceでは、2021年第2四半期のDRAM全体の価格上昇予測を、従来の前四半期比13〜18%増から前四半期比18〜23%増に情報修正することにしたとする。ただし、さまざまなDRAM製品カテゴリの実際の価格上昇幅は、DRAMサプライヤによってそれぞれの製品に割り当てられた生産能力によって異なるため、あくまで全体的な傾向だとしている。

各DRAMともに平均価格が上昇

2021年第2四半期におけるPC DRAMの価格は、ノートパソコンの増産により前四半期比23〜28%ほど上昇することが見込まれるという。同2四半期は、一般的にノートパソコンの生産がピークを迎える時期で、PCメーカーは同四半期にノートパソコンの生産量を前四半期比約7.9増と増産することが予想されるという。また、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に対するワクチンの接種が世界で進んでいるが、世界全体で見ると接種率は低いままで、在宅勤務や遠隔授業は2020年と変わらず継続されるため、ノートパソコンの需要が高まる可能性があり、それにより、PC DRAM価格はさらに上昇する可能性があるともしている。

一方のサーバDRAM価格は、IT投資に対する企業の前向きな姿勢と、クラウドへの移行に対する強い需要があり、すでに2021年第1四半期で需給にギャップが生じているとする。2021年第2四半期はさらに需要が増す見込みで、バイヤーとサプライヤが価格合意に達することが難しくなりつつあるという。そのため、TrendForceでも、従来予測の同20%近く上昇という見方から、同四半期におけるサーバDRAMの契約価格は同20~25%の上昇との予測に上方修正している。

  • TrendForce

    2021年第2四半期のPC DRAM、サーバDRAM、 およびすべてのDRAMの平均販売価格の前四半期比上昇率の修正前と修正後 (出所:TrendForce、2021年4月)