レノボ・ジャパンはThinkPad史上最軽量の1kg切りボディーを実現した「ThinkPad X1 Nano」を2020年12月8日に発表、同日より販売開始しました。ThinkPadと言えば堅牢性やセキュリティー、そして極上のキーボードやタッチパッドに定評があります。しかし1kg切りボディーを実現するために、これらの美点が犠牲になっていないかちょっと心配。と言うわけで、ThinkPad最軽量ノートPCの実力をチェックしてみましょう!
携帯性はシリーズで群を抜くも、インタフェースは最小限
ThinkPad X1 NanoはOSに「Windows 10 Home」または「Windows 10 Pro」、CPUに第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-1130G7」(4コア8スレッド、最大4.00GHz)または「Core i7-1160G7」(4コア8スレッド、最大4.40GHz)を採用。メモリーは8GB/16GB(LPDDR4X 4266MHz)、ストレージは256GB/512GB/1TB(PCIe SSD)から選択可能です。
13インチディスプレイの解像度は2,160×1,350ドット、比率は16:10。マルチタッチ非対応ディスプレイと、プラス18,700円で選択できるマルチタッチ対応ディスプレイ(反射防止)が用意されていますが、450cd/平方mの輝度、sRGBカバー率100%の色域、Dolby Vision対応などのスペックは共通です。
インタフェースはThunderbolt 4(USB Type C 3.1 Gen2)×2、マイク・ヘッドフォンコンボジャック×1を用意。コンパクトさを追求するため、USB Type-AやHDMI端子、microSDメモリーカードスロットなどは省かれています。
通信機能はWi-Fi 6(11ax)、Bluetoothをサポート。またプラス18,700円で4G、プラス55,000円で5G対応のWWAN機能を搭載可能です。
生体認証は顔認証カメラ(IRカメラ)、指紋認証センサーをサポート。720pのHDカメラには物理的にレンズをふさぐ「ThinkShutter」が全モデルに装備されています。
本体サイズは292.8×207.7×13.87mm、重量は約907g~。48Whのリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、バッテリー駆動時間は最大約22.8時間(JEITA2.0)と謳われています。
キーボード&タッチパッドの操作感はほかのThinkPadシリーズと遜色なし
ThinkPad X1 Nanoのキーボードはキーピッチが18.5mm、キーストロークが1.35mm。ThinkPad X1 Carbonに比べるとキーピッチは狭く、キーストロークは浅くなっていますが、実際にタイピングしてみると打鍵感や打鍵音に差は感じません。個人的には最初に本製品に触れたときからフルスピードでタイピングできました。TrackPointポインティング・デバイス、タッチパッドの操作感もほかのThinkPadシリーズと遜色ないと思います。
ウェブカメラを物理的にふさぐカバー「ThinkShutter」はもはや珍しい装備ではないですが、ThinkPad X1 Nanoはカバー部分に赤い点が設けられており、閉じていることが一目でわかります。もちろんカメラをふさぐと、白色のステータスLEDも消灯されます。細かなところまで使い勝手に配慮されていますね。……ただ、720pのウェブカメラの画質は正直解像感が乏しいです。本製品に限りませんが、ビデオ会議の機会が増えているので、スマートフォンのインカメラに近い画質を望みたいところです。
ディスプレイの色域をカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、カタログスペックとほぼ同等のsRGBカバー率99.2%という値が出ました。キーボード奥に内蔵されているスピーカーも超軽量モバイルノートPCとしてはハイレベルです。16:10の画面比率により実用面で注目されているThinkPad X1 Nanoですが、Dolby Vision、Dolby Atmosにも対応しており、ムービー、ミュージックプレーヤーとしても高い実力を備えています。