半導体市場動向調査会社であるIC Insightsは、2020年のマイクロプロセッサ(MPU)市場は前年比12%増の877億ドルとなり過去最高を記録したこと、ならびに2021年も同9%増の955億ドルと、過去最高を更新するとの予測を発表した。
同社の語るMPU市場とは、コンピュータ(PC、タブレット、サーバーなど)向けMPU市場、携帯電話用アプリケーションMPU市場、組み込みMPU市場の総和で、2020年の市場成長の背景は、主に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務を中心としたPCやスマートフォンの需要増と、データセンター投資の増加がある。2021年のMPU市場は、半導体全体平均をやや上回る程度の成長と予測されている。
過去5年間で、もっとも急速に成長したMPU製品カテゴリは組み込みプロセッサで、2015年から2020年の間に売上高は114%増加した。
2020年から2025年の期間でみるとMPU市場は年平均成長率5.1%で成長すると予測されており、世界経済の減速年になると予想される2024年にのみ減少が見られる。また、MPUの出荷数量は、2025年までに年平均成長率2.3%で増加すると予測されている。
なお、組み込みMPUの出荷数量は、今後5年間で毎年2桁成長を遂げると予測されているが、携帯電話向けアプリケーションプロセッサについては出荷数量の伸びが見られぬ見通しであり、MPUの総出荷数量の成長は予測期間を通じて抑制されるとIC Insightsは予測している。