AMD GPU

Radeon RX 6000シリーズの投入でハイエンド向けでNVIDIAと伍する勝負を出来る様になったのは大きな収穫ではある。AMDはRDNAについて関してRDNA~RDNA 3までの登場を予告しており、次は5nmをベースとしたRDNA 3、NAVI 30シリーズということになる。

  • Photo02: アリス(♂)。ちゅるるのお兄ちゃん。1998年に一緒に大原家に出現。ずっと外猫として大原家のボスを務めてきていたが、2009年頃から体調を崩し、家猫化。引き続きちゅるると仲良くやっていたのだが、その後急速に衰える。ちゅるる同様賢い子ではあったけど、人間の気持ちを読むのはちゅるるさんの方が少し上手だったと思う。2011年9月に逝去。

もっともその前にNAVI 20シリーズのローエンドは出ないのか? という話を。Photo03はAMDが提供のNAVI 21のダイ写真だが、綺麗に真ん中から切りやすい構造になっているのが判る。もともとNAVI 21はかなり大きなダイ(519.8平方mm)であり、これもあって値段が下げにくい部分もあったが、仮に40CUまで減らす&Infinity Cacheを64MB、メモリバスを128bitにすれば、ダイサイズは凡そ300平方mmまで縮まる。こうしたダイ(NAVI 22と言われている)がRadeon RX 6700/Radeon RX 6700 XTとして投入される、という噂はずっと出ており、早ければ2021年の第1四半期中に発表がある(CESにおけるLisa Su CEOの基調講演はその意味でチェックが必要である)可能性もある。

  • Photo03: 左右に40CUづつ、合計80CUということになる。

  • Photo04: Photo03をPhotoshopでちょっと弄ってみた。

もっともGPUのみのNVIDIAとか、そもそも資金力のあるIntelと異なり、AMDは多数の派生型を作るほどの余力は無さげである。なので、残念ながらRadeon RX 6600とか6500といった所までは手が回らなそうだ。これに関してはRadeon RX 5000シリーズのローエンド(Radeon RX 5500 XT/5600 XT)が引き続き担うという形だろう。更にその下はRadeon RX 500シリーズが担う形になる。直近、Radeon RX 580が2万円台、Radeon RX 570が1万円台で販売されており、性能/消費電力比はともかく絶対性能はエントリ向けとしては十分である。

これに続くのが5nmのRDNA 3ことNAVI 30シリーズであるが、プロセスの微細化によりCU数を増やしたり、InfinityCacheの容量を増やしたりするのはまぁ容易であろうし、PCI Express Gen5への対応も難しくない。問題は、GDDR7が少なくとも2021年中は手当てが出来ないだろうということだ。InfinityCacheを増やせばある程度はカバーできるだろうが、CUは今のRadeon RX 6900 XTでもちょっと不足気味であり、TSMCのN7→N5でトランジスタ密度は45%しか上がらない事を考えると、メモリ帯域そのものも引き上げたいところである。GDDR6はもうこれ以上帯域は増えないし、GDDR6XはMicronの独自規格であることを考えるとAMDが採用するとは思えない。かといってHBM2Eを入れるか? というと、コンシューマ向けにはちょっと厳しい。恐らくはメモリバスの384bit化で対応するのではないか、と筆者は想像している。こちらも登場はZen 4 Ryzen同様に2021年第3四半期末~第4四半期というあたりではないかと想像される。