最近のiPhoneを利用して撮影したのであれば、写真は「HDR」で撮影されているはずですが...まずは、HDRについてかんたんに説明しておきましょう。

iPhoneのカメラは、明るさが異なる複数枚の画像を合成することで輝度の明暗差が大きい(ダイナミックレンジが広い)写真を撮影できます。この機能はハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range)合成と呼ばれ、iPhone 4のとき初めて搭載されました。

このHDR合成はiPhoneのカメラ機能と歩調をあわせるように進化を続け、iPhone XS/XS Maxでは機械学習の働きを取り入れた「スマートHDR」となりました。iPhone 11シリーズではさらに進化し、被写体の種類を判定(シーン検出)して適切な明るさに仕上げる「(次世代の)スマートHDR」に、それを強化したiPhone 12シリーズでは「スマートHDR 3」と呼ばれるようになりました。

iPhone 11以降のモデルでは、『設定』→「カメラ」画面にある「スマートHDR」スイッチをオフにしていないかぎり、その賢いHDRで撮影されます。このスイッチを変更していなければ、写真を見たときの明るさ・輝き感は肉眼で見たときの印象に近づきます。

もうひとつ原因として考えられるのは、『設定』→「写真」画面にある「フルHDRで表示」スイッチです。このスイッチをオフにすると、たとえスマートHDRを有効にして撮影された写真であっても、その写真が持つダイナミックレンジを完全な状態で表示しなくなります。陽の光が反射する水面など明暗差が大きい写真で確認すれば違いは一目瞭然、肉眼のときほどではないにせよ、撮影時点したときの輝きが鮮明に思い出されるはずですよ。