普段からよくYouTubeを使用している人であれば、一度は目にしたことがある「プレミア公開」というキーワード。しかし「名前は見たことがあるけれど、どんな機能かはわからない」「まだ使ったことがない」という人も多いでしょう。
本記事ではYouTubeのプレミア公開機能について、特徴やメリットはもちろん、投稿者・視聴者それぞれの設定方法まで解説します。混同されがちなライブ配信やYouTubeプレミアムとの違い、注意点もまとめました。
YouTubeプレミア公開とは? 特徴とメリット
YouTubeプレミア公開とは、あらかじめ撮影・録画・編集した動画を、指定した日時に予約して配信することができ、かつリアルタイムでチャットができる機能です。動画を予約すると、公開日時までサムネイル画像がYouTube上で表示されます。
プレミア公開機能の実装当初は、一部の投稿者しか利用できなかったのですが、その後すべての投稿者が無料で利用できるようになりました。もちろん、視聴者も、通常のYouTube動画を見るのと同じ感覚で楽しめます。
事前に公開日時を設定し、予約できる
前述のように、プレミア公開では公開する日時を予約できます。
例えば動画を21時からプレミア公開設定した場合、視聴者は皆、同じタイミングで動画を見始め、かつチャットにより視聴者同士、もしくは動画配信者との会話ができて、同じタイミングで動画を見終えるという訳です。
チャット機能で、投稿者は視聴者の反応をリアルタイムで見ることができる
通常のYouTube動画(プレミア公開、およびライブ配信でないもの)において、視聴者が投稿者とコミュニケーションをとる手段は「コメント機能」しかありません。
しかしプレミア公開機能であれば、投稿者と視聴者がリアルタイムで一緒に動画を楽しみつつ、かつチャット上でのコミュニケーションを楽しむことができます。
スーパーチャット(投げ銭)で収益化に寄与
YouTubeプレミア公開を用いることで、単に通常通りのフローで動画を上げるよりも収益を増加させられる可能性があります。
その理由は、YouTubeプレミア公開時に使える「スーパーチャット(投げ銭機能)」です。この機能により、視聴者は動画配信者に対して任意の金額を送ることができます。
もちろん、プレミア公開を終えた動画は通常の動画と同様にYouTube上に残し続けられるため、動画配信者は、投げ銭に加えてその後の広告収益を獲得できます。
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特別感を出すことで、視聴回数アップを狙える
通常の動画投稿と異なり、事前の集客が可能となるのも特徴の一つです。指定した時間での動画公開に先立ち、動画は「〇〇分後にプレミア公開」などと表示された状態でYouTubeのヘッドラインに載ります。
通常の動画に対しては「いつか見よう」となる気持ちが、「せっかくだからプレミア公開のときに見よう」となり、視聴回数が増える可能性があります。
そのほか、公開が近づくとYouTubeのリマインダー機能でリマインドすることもできるので、見逃しを防ぐことも可能です。
予告編動画やカウントダウンで、視聴者の期待感を高められる
視聴者がプレミア公開設定された動画を事前にクリックした場合に、通常はサムネイルが表示されますが、チャンネル登録者が1,000人を超えている場合は、予告動画を流すことも可能です。
予告動画は、15秒~3分の長さのものを設定できます。
また公開の2分前にはカウントダウンが始まり、視聴者は公開の少し前の時間からURLを開いて配信開始を待つことができます。つまり視聴者は、見たいテレビ番組を待つような感覚で、動画の公開をワクワクしながら待つことができるのです。
新曲や新商品などの発表にも使える
このプレミア公開の特性を生かして、アーティストの新曲や、企業の新商品・新サービスなどの発表に使われることも多くあります。
プレミア公開は、ファンやユーザーの期待感を高めるとともに、チャット欄での反応を次のPRやマーケティングにつなげることもできるのです。
YouTubeプレミア公開とライブ配信の違いは?
前述したプレミア公開の説明を受けて、「ライブ配信とはどう違うのか?」と疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、「配信者と視聴者でコミュニケーションをとりながら、一緒に楽しめる」という点においては、ライブ配信とプレミア公開は似た特徴を持っていますが、そもそもYouTubeのプレミア公開は、生配信ではありません。もともと準備しておいた動画をタイマーセットして投稿しているにすぎないのです。
ただ、プレミア公開、ライブ配信で共通する機能もあります。それが前述の「チャット機能」。どちらの場合においても、視聴者は動画に対してチャットを送ることが可能です。なお、プレミア公開においては動画の公開前、および公開後にも指定の時間内であればチャットを続けることが可能です。そのため、プレミア公開後の感想やフィードバックを配信者と視聴者で共有できるという特徴もあります。
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YouTubeプレミア公開は後から見られる?
YouTubeプレミア公開の開始時間に間に合わなかった場合も、追っかけ再生はできます。また、プレミア公開動画は終了すると通常の公開動画としてアーカイブされるので、後日視聴することも可能です。
YouTubeプレミア公開の設定方法
次に、実際にプレミア公開を設定する方法を見ていきましょう。
動画投稿者側の設定
まずは、プレミア公開にする動画を決めます。
YouTubeにログインしたら画面右上の動画アイコンをクリックし、「動画をアップロード」を選択します。
その後、アップしたい動画をドラッグ&ドロップもしくは「ファイルを選択」により選択します。
動画がアップロードされたら、動画の基本情報を入力し、「次へ」をクリック。
「公開設定」より、「プレミア公開」を選択します。
以上で操作は完了です。
公開予約を設定すると動画再生ページの共有可能なリンクが作成されるので、これをSNSなどで告知してもいいでしょう。
プレミア公開が開始されるまでの間も、チャット機能を用いて視聴者や配信者同士で交流することができます。
動画視聴者側の設定
視聴者側は時間になったらプレミア公開を楽しめばいいので、プレミア公開を見るための特別な設定は不要です。プレミア公開を見逃したくなければ、アプリ上でリマインダー設定をしておくといいでしょう。また、通知をONにしておけば、開始30分前に通知が届くようになります。
もし開始に間に合わなかったとしても、プレミア公開中は時間を巻き戻し、最初から動画を見ることもできるので、うまく活用しましょう。
YouTubeプレミア公開を利用する時の注意点
プレミア公開にはいくつか注意すべき点がありますので、確認しておきましょう。
スマホからはプレミア公開の設定ができない
プレミア公開は2023年3月時点でスマホアプリからは設定することができません。プレミア公開をしたい際には、パソコンで動画アップロード作業を行うようにしましょう。
既に公開済みの動画は、プレミア公開に変更できない
プレミア公開を設定できる動画は、新規でアップする動画のみです。すでにアップされている動画はプレミア公開に切り替えることはできないので、注意しておきましょう。
動画の早送りができない
プレミア公開は巻き戻しができますが、公開中は早送りすることができません。どうしても時間がなくて早送りして見たい、という場合には、プレミア公開後もアーカイブを見ることができるのでそちらで楽しむといいでしょう。
ミッドロール広告はつけられない
プレミア公開にも広告をつけることはできますが、プレロール広告のみとなり、ミッドロール広告はつけられません。
プレロール広告とは、コンテンツ動画が始まる前に流れる動画広告のことです。ミッドロール広告は、コンテンツ動画の途中で流れる動画広告のことです。
プレミア公開が終了すると、通常の動画と同じように、プレロール広告と、ミッドロール広告の両方が表示されるようになります。
YouTubeプレミア公開とYouTubeプレミアムの違いは?
さて「YouTubeプレミア公開」と「YouTubeプレミアム」は、名前が似ているためややこしく感じるかもしれませんが、まったくの別物です。
YouTubeプレミアムとは、広告なしでYouTube動画を楽しめたり、オフライン再生が可能になったりする月額会員サービスです。プレミア公開とは違うサービスなので注意しましょう。
YouTube Premium(プレミアム)とは? メリットや料金、登録・解約方法を解説
YouTubeプレミア公開を利用して一味違う動画体験を
以上、YouTubeプレミア公開についてまとめました。
チャットやスーパーチャット機能など、ライブ配信にも備わっている機能が簡単に、無料で利用できるのがYouTubeプレミア公開の大きなメリットです。ぜひ、うまく活用してみてくださいね。
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