シャープは9月11日、5G対応スマートフォン「AQUOS zero5G basic」「AQUOS sense5G」、および4G LTEモデルの「AQUOS sense4 plus」「AQUOS sense4」を発表しました。「さあ、はじめよう5G」「5Gノーマル化宣言」といった切り口で、ミドルレンジの5Gスマホを投入することによって、国内の5G普及を後押ししていきたい考えです。

  • シャープがAQUOSスマートフォンの新モデル(4機種)を発表。発売時期は2020年秋以降、価格や対応キャリアは現時点で未発表

ハイコスパの5Gモデルを投入へ

オンラインで実施された発表会では、シャープ 通信事業本部の小林繁氏が新製品を紹介しました。小林氏は「私たちの使命は、5Gを広げることで世の中をもっと楽しく生産的にしていくことです」と述べ、5Gによってエンタメ、ビジネス、コミュニケーションの体験を革新していきたい、とアピールします。

  • 左から、5GモデルのAQUOS zero5G basic、LTEモデルのAQUOS sense4、LTEモデルのAQUOS sense4 plus、5GモデルのAQUOS sense5G

  • 左から、シャープ 通信事業本部の清水寛幸氏、シャープ 専務執行役員の津末陽一氏、シャープ 通信事業本部の小林繁氏

ここ最近のスマートフォンの販売傾向については「なんとなくでハイエンドスマホを購入する、という時代ではなくなった」と説明。理由のひとつに、キャリアが消費者に対して大きな値引きを保証する販売方法が終わったことを挙げました。

すでにシャープでは、8K撮影+5G通信ができるこだわりのフラッグシップ機「AQUOS R5G」(2020年3月発売)を世に送り出しています。一方で、「コストパフォーマンスを重視し、価値あるパフォーマンスを見極めるユーザーも非常に増えている。しかし、その分野には5Gの製品が存在していなかった」(小林氏)と分析。そこで今回、ミドルレンジ5Gモデルを投入することに。

  • AQUOS zero5G basicのキービジュアル

「これらはAQUOS R5Gのような、超最先端技術を詰め込んだ、身震いするようなフラッグシップスマホではありません。今後、たくさんの人々に5Gの利便性を届けるために用意したものです」と小林氏。

ゲームも十分に楽しめる高性能なスタンダードモデル「AQUOS zero5G basic」と、国内における販売数がダントツに多いAQUOS senseシリーズから「AQUOS sense5G」を提供していきます。「性格が異なる2つのモデルを投入することで、誰でも気軽に5Gが利用できる世界を切り開いていきます」としました。

AQUOS zero5G basic

AQUOS zero5G basicが想定するのは、かつてハイエンドモデルを選んでいた、価格と性能のバランスを重視するユーザーたち。長く使い込むから高性能モデルが良い、ゲームもしたい、いま買うなら5Gモデル、けれどお財布には無理をしたくない、そんな消費者にも響く製品になっているとのこと。果たしてこれ、すべて実現できるのでしょうか。

  • 10億色の表現が可能な6.4インチの有機ELディスプレイを採用するAQUOS zero5G basic

  • 製品イメージ

まずは画面の特徴から。スマートフォンとしては世界最速レベルとなる4倍速の有機ELディスプレイを搭載しています。「毎秒240回の表示更新に対応しています」と小林氏。

「パラパラ漫画では、ページをめくるスピードが速くなるほど動きが滑らかになりますよね。スマホでも同じです。画面が速く更新されれば、動きの激しいゲームでも最高レベルの滑らかさで、クッキリ表示できるようになります」(小林氏)

加えて、タッチ検出についても毎秒240回へと高速化。表示とタッチの両方が従来端末の4倍も速くなっており、ゲーミングスマホとしても満足できるレベルになった、とアピールします。

  • 4倍速の高速表示、4倍速のタッチ検出に対応。滑らかな映像表示と高い操作性により、ゲームの没入感がさらに向上しています

CPUには5G対応のQualcomm Snapdragon 765 5G mobile platformを採用。通信はサブ6の5Gに対応しています。理論値ですが、ダウンロード速度にして最高2.1Gbpsの高速通信が利用できる仕様です。

  • CPUはQualcomm Snapdragon 765 5G mobile platform、RAMは8GB、ストレージは128GB。バッテリー容量は4,050mAh

ハイスペックなスマホは発熱も心配ですが、AQUOS zero5G basicは、トリプルグラファイト素材や緻密なCPUの電力制御によって、クラス最高レベルのパフォーマンス持続力を宣言しています。

ちなみに、シャープがスポンサーを務めるプロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」のメンバーも、AQUOS zero5G basicのパフォーマンス性能、放熱性能について高い評価を下しているんだとか。「ピークパフォーマンスこそ最新のフラッグシップには敵わないけれど、体感で大きな差はなく、レスポンスも持続力もすばらしい。まるでPCでゲームをしているようだった」というDetonatioN Gamingのコメントが紹介されました。

次にカメラですが、広角カメラ、標準カメラ、望遠カメラというトリプル仕様。約4,800万画素の標準カメラ(F1.8)には、高速オートフォーカス「新ハイブリッドAF」に対応したセンサーを採用。夜間には約1,200万画素のモードに切り替わることで、高感度センサーとして動作し、きれいな夜景撮影を可能にします。広角カメラ(約1,300万画素)は画角が125度と広く、望遠カメラ(約800万画素)は光学3倍ズーム対応です。

  • 作例。距離やシーンに合わせた最適なレンズを選べるのが特徴。ナイトモードも備えており、AIオートで撮影すれば誰でもきれいな夜景を撮影できます

顔認証で高速ロック解除できるほか、画面内指紋センサー、デュアルバンドGPS、おサイフケータイ・NFC、防水(IPX5・IPX8)、防塵(IP6X)など、各種の機能面も充実。外部メディアとしてmicro SDカードが使えて、イヤホンジャックも備えています。DisplayPort出力もサポートしており、HDMIケーブルでテレビと接続して、AQUOS zero5G basicの画面をテレビに映せます。