聴き疲れしないバランスの良い音質。低音も十分
Pixel BudsのサウンドをPixel 4aにペアリングして聴きました。BluetoothのオーディオコーデックはAACと、ベーシックなSBCまで対応しているようで、AirPodsと同じスペックということになります。Pixel Budsには音質面でベターと言われるクアルコムのaptXコーデックにも対応して欲しかったところです。
さて、そのサウンドはバランスがとてもフラットで聴きやすく、ボーカルや楽器の音色がすっと腹に落ちるような心地よさがあります。解像度も高く、切れ味豊か。透明で開放的な音場が広がります。余韻の爽やかな抜け味も開放型のイヤホンならではと言える魅力です。
特に本機と相性が良いと思うのは、男女ボーカルをハイライトした楽曲。ボーカルの温かみが耳にゆっくりと馴染み、声の震える様子や息継ぎの繊細なニュアンスも浮き彫りにします。
しかも芯の部分に力強さが感じられます。ロックやポップス、ダンスミュージック系の楽曲を聴くとリズムの弾力感とインパクトも心地よく、低音再生も十分に力強く感じられます。
開放型のイヤホンは構造上、低音再生の力不足を感じる場合がありますが、Pixel Budsはイヤーピースである程度調整がしやすく、密閉型のイヤホンほど低音の重厚感は出しづらいものの、AirPodsに比べると低音に十分な量感があり、音場の立体感も味わえます。長時間の音楽リスニングや動画鑑賞にも疲れを感じにくいと思いました。
通話品質は? 骨伝導センサーで声を抽出
Pixel BudsとPixel 4aで、ハンズフリー通話の音質も試してみました。マイクは、イヤホン本体の上下にデュアルマイクを搭載しています。
左右の口元側のビームフォーミング対応マイクが、通話音声にフォーカス。周囲のノイズ環境を解析して、通話音声をクリアに届けるGoogle独自のアルゴリズムにより、クリアな通話音声を相手に届けます。
加えて、骨伝導センサーにより、あごの骨近辺の振動を検知して音声に変換するため、周囲が賑やかな場所で通話をしても声だけを明瞭にピックアップします。試したところ、小声による通話もきれいに拾ってくれました。ビデオ会議用のワイヤレスイヤホンにも向くと思います。
スムーズなタッチセンサーリモコン
イヤホンの左右側面は、ともにタッチセンサーリモコンになっています。左右側に同じ操作が割り当てられているため、迷わずに使えると思います。
再生中の楽曲の音量アップダウンもイヤホンから操作できるところがAirPodsシリーズよりも使いやすく感じられるでしょう。サイドパネルを左右にスワイプしてするとボリュームのアップダウンになります。面積の狭いパネルですが正確に入力操作を受け付けてくれます。
スマート機能は実践向き、快適な動作感
Pixel Budsのスマート機能のひとつにアダプティブ サウンドがあります。これは、周囲の騒音を解析して、再生中の音楽のボリュームを最適なレベルに自動調節する機能。Pixel Budsの設定画面でオン・オフを選択します。
実際試すと、アップダウンが穏やかに切り替わるので違和感なく使えます。ただ、一度大きくなったボリュームが静かな場所に移動すると小さくなることが気になる場面もありました(シームレスに調整されすぎる、ということかもしれません)。
Pixel Budsのタッチセンサーリモコンによる音量操作がとても速く正確にできるので、気になるかたはあえてアダプティブ サウンドを使わず、マニュアルで都度変更してもよいかもしれません。
このほかのスマート機能として、Androidスマホとペアリング中にリモコンを1~2秒ほど長押しするとチャイムが鳴り、スマホに届いている通知を音声で読み上げてくれる機能があります。
そしてリモコンをさらに押し続けると、Googleアシスタントが起動。そのままボタンを押し続けて音声コマンドを入力できます。
マップアプリによるナビゲーション、リマインダーの登録、Spotifyによる音楽再生などを、音声操作ですばやく的確にこなせるところは、さすがGoogle純正。実践向きの快適な動作感でした。これなら音声操作を毎日使いたくなります。