宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月14日、地球帰還に向けてイオンエンジンによる航行を続けている小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル再突入日を2020年12月6日に決定したこと、ならびに再突入カプセルの着地地点がオーストラリアのウーメラ地区に決まったことを明らかにした。

JAXAは現在、豪州宇宙庁(Australian Space Agency:ASA)とカプセルの帰還および回収計画の最終確認を続けており、実際には豪州政府による着陸許可証(Authorisation of Return of Overseas Launched Space Object:AROLSO)の取得に向けた作業を継続している段階にあり、AROLSOが取得できた段階で、日付が確定されることになるとしている。

  • はやぶさ2

    はやぶさ(初号機)の際のウーメラでのカプセル回収作業の流れ (C)JAXA

なお、ウーメラは2010年に地球帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ(初号機)」のカプセルが着地した場所としても知られている。また、はやぶさ(初号機)は諸々の事情から探査機本体も地球に突入したが、はやぶさ2はカプセルを分離後、地球圏から離脱、大気圏に突入せずに、次の旅に向かう予定となっている。

  • はやぶさ2

    はやぶさ2の地球帰還最終誘導フェーズ。各イベントの実施日は2020年7月14日時点では未定。カプセル分離後、探査機本体は地球圏を再離脱する (C)JAXA