照明器具としても数々の改良

照明器具としては、全光束が2代目よりもアップして520ルーメンになり、1本でも6畳~8畳の部屋を夜でも明るく照らせました。ホワイトバランスは2,700ケルビンとやや温かみに寄った電球色です。灯りの色合いはソニーネットワークコミュニケーションズの製品サイトの写真が参考になりますが、設置する部屋の雰囲気に合う光の色なのか、できればショップで実機を確認してみることをおすすめします。

アプリやリモコンから明るさを32段階で調整、アプリからは色を192通りに変更可能です。再生する音楽に合わせて暖色・寒色系の色を順に切り換えたり、レインボーカラーに順次移り変わるパーティーモードも設けています。

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    照明の色合いは192通りから変更可能

LEDライトの中心にスピーカーユニットを配置しているのに、床に黒く丸い影が落ちないよう構造上の工夫も凝らしています。LEDの光を効率よく拡散させるために、乳白色のグローブとしました。

加えて、グローブに凹凸レンズ効果を持たせて、内部で光を歪ませながら散らしているため、ユニットの影になりそうなポイントにも美しく灯りを伸ばすことができます。LED素子の配置も入念に見直しているそうです。

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    ランプの中心に配置したスピーカーユニットが影を作ることなく、部屋に淡い光を行き届かせます

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    乳白色のグローブ(樹脂製)。スピーカーボックスの役割も果たしています

照明の操作は、付属の物理リモコンでも簡単にできます。点灯・消灯などは、アプリよりも物理リモコンのほうが便利でしょう。

また、物理リモコンのペアリングボタンを長押しするとペアリングモードに入り、その場にいるユーザーのスマホからペアリングできます。最初にLED電球スピーカーをセットアップした家族のスマホが近くになくても、照明の微調整や音楽再生が他の家族にもできるので安心です。

防滴性能は?

新しいLED電球スピーカーが進化したポイントはもうひとつあります。IPX4相当の防滴性能を持ったことです。

水滴が付着してもすぐに拭き取れば故障を避けられるので、たとえば夏にベランダでテーブルトップライトスタンドに本機を立てて音楽を聴いているときに、小雨が降り出してもすぐに壊れる心配がありません。屋外や水回りで本機を使う場合には、電球とソケットが濡れてショートしないように、市販の防水ソケットカバーや防水パッキンの使用が強く推奨されています。

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    浴室のランプにLED電球スピーカーを装着。動画ストリーミングコンテンツの音声を流してみました

防滴仕様のLED電球スピーカーは、浴室でも使えるのでしょうか。

ソニーネットワークコミュニケーションズとしては、本機の防滴性能がIPX4相当、つまり「水の飛沫に対する保護」までであることを強調しています。IPX4相当のスペックを保証できる水の種類についても、真水や何も混じっていない水道水が対象です。たとえば、石けんやシャンプーが混じっている液体がかかると、故障する恐れがあります。

つまり、LED電球スピーカーに直接シャワーの水がかかったり、大量の水滴が付着しないような対処があらかじめできていれば、浴室でも快適に使えるのでしょうか。筆者宅は浴室のランプが比較的高い位置にあり、しかも全体を機密性の高いガラスのランプカバーで覆うことができます。ソケットの形状もE26だったので、シャワーを浴びる前の乾燥している浴室内で、音がどのように聞こえるのかチェックしてみました。

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    LED電球スピーカーとソケットが濡れてショートしないように、防水ソケットカバーを使うことが強く推奨されています

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    LED電球スピーカーはIPX4相当の生活防水対応であるため、水濡れをなるべく防ぐようカバーに装着する必要があります

結果は、ランプカバーの中で音が反響してしまい、とても聞きづらくなってしまいました。浴室での使用は避けたほうが賢明かもしれません。とはいえ音楽が聴けて照明器具にもなる、一石二鳥のLED電球スピーカーをぜひ浴室で使いたいという、ユーザーの期待は強くあると思います。

音楽を聴いたり、防水対応のスマホやタブレットを持ち込んで動画の音声をLED電球スピーカーで聴いたりしながら、ゆっくりとお風呂タイムが楽しめたら最高です。ソニーにはぜひ、最新モデルのLST-SE300を浴室で使えるようにする専用の防水アクセサリーか、または浴室やアウトドアで思い切りよく使える完全防水対応のLED電球スピーカーを企画して欲しいと思います。

実は今回、LST-SE300を試そうとして、筆者宅にあまりE26タイプのソケットが多くないことに苦戦しました。友人に聞いてみると、最近の新築物件では一回り小さなE17タイプのソケットが主流だったり、蛍光灯が中心に配置されたりしている場合も多いようでした。やはりLED電球スピーカーの、オーディオとして正しい配置と使い方ができて、照明器具としても見栄えがするようなスタンドアクセサリーなどが必要だと感じます。

LED電球スピーカーへの認知と期待はまだまだ広がる余地がありそうです。ユニークでスタイリッシュな製品が「我が家でも使えそう」であることを、瞬時にイメージできる仕掛けがブレイクのカギを握っているのではないでしょうか。