ソニーから、音楽を聴くためのスピーカーとLED電球と一体にした「LED電球スピーカー」の最新モデル(LST-SE300)が発売されました。実機をハンドリングしながら製品の上手な使い方を考えてみました。ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    ソニーが発売した「LED電球スピーカー」の最新モデル「LST-SE300」を自宅で試してみました。実勢価格は税別18,500円前後と、ちょっと高いでしょうか……

Bluetooth再生に対応するLED電球スピーカーの最新モデル

ソニーのLED電球スピーカーは、2015年に初号機「LSPX-100E26J」が誕生。続く2016年には改良版の2号機「LSPX-103E26」が発売されました。当時は空間そのものを活用して新しい体験を創出するという、ソニーのコンセプトシリーズ「Life Space UX」の製品として位置付けられていました。第3世代にあたる最新モデルは、ソニーネットワークコミュニケーションズが取り扱っています。

照明器具と一体になったソニーのスピーカーといえば、ランタンスタイルのハイレゾ対応「グラスサウンドスピーカー LSPX-S2」もあります。今回のメインテーマとして紹介する製品「LST-SE300」は、裸のLED電球の形。口金直径26mmのE26ソケットに装着して使用します。

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    口金のタイプはE26。汎用性の高い仕様です

照明器具としての明るさ調節や、スピーカーの音量アップダウンといった基本操作は、パッケージに付属する物理リモコンからできます。そして、iOS・Androidのモバイルアプリ「Light Plus」を使うと、照明の色彩を変えたり、Bluetoothオーディオのコーデックを選んだりと、さらに細かい設定操作に対応します。

音楽は、スマホやポータブルオーディオ機器にペアリングして、Bluetooth経由で再生します。LED電球スピーカーにWi-Fi機能はありません。シンプルに扱える最新「Bluetoothスピーカー」と理解してよいでしょう。

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    照明や音楽の操作ができる物理リモコンが付属

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    明るさは32段階で細かく調整可能

単体ではモノラル仕様のスピーカーですが、2台そろえてペアリングするとステレオ再生ができます。また、2台のスピーカーで同じ音源をモノラル再生、広い部屋に2台のLED電球スピーカーでまんべんなく音楽を広げる使い方なども。小さなカフェやショップのBGM用スピーカーとしても、使いやすいのではないでしょうか。

クリアなサウンド。人の声がとても聴きやすい

スピーカーユニットは電球の先端に配置されています。照明器具として自然なルックスに仕上げるためだけでなく、手前に遮るものがない位置にスピーカーユニットを置くことで、ユーザーの耳までストレートにサウンドを届けます。

3代目となる今回のLST-SE300は、樹脂製スピーカーボックスの容積を増やして、低音再生の量感や音圧向上を図りました。また、Bluetoothオーディオの対応コーデックがAACとSBCのほか、aptXもサポートしています。

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    音質を向上した新しい振動板と、ダンパーの品質を改善しています

振動板の厚みとダンパーの形状を変えたことによって、ディティールの解像感を高めて、中高音域の肉付きをよくしています。

ベッドルームのランプにLST-SE300を装着して聴いてみました。中高域の透明感が秀逸です。低域のボディ感がもう少しあってもいいかなと思いましたが、人の声がとても聞きやすく、あえてそのようなチューニングに整えているのではないでしょうか。ボーカルものの音楽だけでなく、radiko.jpのラジオ放送(ストリーミング)、語学の学習用、子どもの読み聞かせ用オーディオブックなど、人の音声が心地よく楽しめます。

  • ソニー「LED電球スピーカー(LST-SE300)」

    人の声がクリアに聞こえるので、読み聞かせや語学学習のコンテンツにピタリとマッチ

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    寝室の吊り下げランプに装着してみました

吊り下げタイプのランプだと電球が下向きになるため、やはり真下で座って聴くと最もバランスよく感じます。音の広がりも十分に作れるので、6畳から8畳前後の部屋なら、LED電球スピーカーを1台設置すれば、心地よいBGMを部屋に満たせます。

シアター用途を考えるならステレオペアで使いたい

映画・ドラマなど映像コンテンツの視聴は、LED電球スピーカーが1本だけだと、音像定位の明瞭度がやや不足するように感じました。2台のLED電球スピーカーを用意してステレオペアリングモードで使えば、Bluetoothオーディオ伝送に対応するテレビのサウンドをリッチに再生するスピーカーとして、活用場面が拓けそうです。

その場合、スピーカーの左右の高さや前後位置を、バランスよくそろえる照明スタンドなどが欲しくなってきます。天釣りタイプのものより、スピーカーの音の出口をリスニング位置に正対させて設置、または天井に向けて置けるテーブルトップ型や、フロアスタンド型がよいと思います。