• MWC19のHMDブース

「Nokia」ブランドで携帯電話を提供するHMD Global、2018年のMWCでは”バナナフォン”こと「Nokia 8110」を復活させるなど、懐かしさが話題を呼びました。

今年は路線変更、本格勝負に出ています――なんと”PureView”ブランドを復活させただけでなく、一気に5眼です。例年通り、Nokiaのブース内にあるHMDのブースで「Nokia 9 PureView」を触ってみました。

  • Nokia 9 PureView。背面に5眼カメラ搭載です

PureViewが5眼になって戻ってきた!

PureViewといえば、今から実に7年前のMobile World CongressでNokiaが発表した、ハイスペックなカメラを特徴とするブランドです。

当時はSymbian OSをベースとしてたのも懐かしいですね。今でこそインスタやセルフィーに欠かせないスマートフォンのカメラですが、NokiaはすでにSymbian時代にカメラの出荷台数で世界最大を誇っていました。

今回登場したNokia 9 PureViewは「Android 9 Pie」を採用した「Android One」で、2年間アップデート、セキュリティアップデートは3年間となっています。

  • Nokia 9 PureViewの前面。ノッチなどはなく、至って普通のスマートフォンに見えます

ネットワークはLTEに対応しており、CPUはQualcomm Snapdragon 845、RAMは6GB、ストレージは128GB。画面は5.99インチでアスペクト比18:9。バッテリー容量は3,320mAhで、ワイヤレス充電(Qi方式)も可能です。IP67の防水もサポートしています。

背面カメラはモノクロ3つ、カラー2つ

5つのカメラは、いずれも12メガピクセル(F1.8)。背面には7つの”丸”がありますが、そのうち中央上2つがRGB(カラー)カメラ、下側にある横3つがモノクロカメラで、左上の1つがフラッシュです。

  • 背面全体

最後の1つ、右上にある黒い丸はToF Depth(深度)センサーです。白黒カメラを3つ用意したのは、白黒は光のキャプチャが3倍近く優れるから。Nokia 9 PureViewでは全カメラを合計すると約10倍の光をキャプチャできるそうです。

フロント側にも20メガピクセルカメラが備えられ、顔認証で画面をアンロックできます。なお、画面に指紋センサーも統合されているそうです。

  • 白黒写真も撮影できる

  • ISO設定などができるカメラインターフェイス

5カメラの情報を統合、後から編集も可能

ブースのスタッフによると、「重要なのはカメラの台数ではなく、5台のカメラが”アレイ”として同時に撮影する点」と言います。

撮影ボタンを押すと5台のカメラがそれぞれ撮影し、それぞれの画像情報を処理して1枚の写真に集約していきます。これにより感度が大きく改善するとのことです。深度データは1200レイヤー。このため、写真を撮った後から、撮影した写真の光、色、深度などを調整できます。

  • 撮影した写真の”ボケ”も容易に編集できる。一部白黒にするなどの処理も可能

写真データはRAWファイルかJPEGかを設定でき、RAWファイルにした場合はスマートフォン上でアプリ「Adobe Photoshop Lightroom」などを使って編集ができます。

発売は3月中! 価格は699ドル

フロントとバックはGorilla Glass 5を使用、フレームは6000番台のアルミニウムを採用しています。厚さは8ミリを実現。カメラ部分は出っ張っておらず、持った感じも違和感ありません。microSDスロットはなく、ヘッドホンジャックもありません。

Nokia 9 PureViewの予想価格は699ドル(約78,000円)で、3月中にグローバルで提供されます(日本発売は未定)。色はミッドナイトブルーのみ。

  • 背面の5眼カメラを改めて……。カメラ部分は出っ張りもなく、使っていると見慣れるデザインかもしれない

  • ワイヤレスチャージなどの機能を盛り込みつつ、厚さ8ミリを実現。側面は電源ボタン、シャッターがわりにもなる音量ボタンがある。充電インタフェースはUSB Type-C