進化したAIが被写体をスムーズに認識

Xperia 1 IIの位相差AFの測距点(そっきょてん。フォーカスポイント)は、Xperia 1比で約4倍となる247点でかなり広くなっており、これはセンサー面に対して70%のカバー率といいます。

  • 幅広いAFエリアを実現

これに加え、被写体までの距離を測位してAF精度を高める3D iToFセンサーを搭載。同社は以前レーザーAFセンサーを搭載して測距を行っていたこともありましたが、その時は中央1点のみの測距でした。Xperia 1 IIでは43,200点という細かい測位が可能で、3次元の深度マップによってAF性能を大幅に向上させています。

  • 3D iToFセンサーのカバーエリアと測距点はさらに広く多い

さらに、ピントを合わせるべき主要被写体をAIによって認識するアルゴリズムを搭載。多くの画像を学習させることで、シーンごとに主要被写体を認識してAF/AEターゲットを設定してくれるそうです。これによって、ピントの中抜けなどの問題が回避できそうです。

  • 主要被写体を適切に認識してくれ、適切なピント合わせが行われる(被写体タップでも認識可能)

【動画】主要被写体をカメラが認識している様子(開発時の画面です)

新機能Photography Proで「カメラとして使うXperia」に

さて、こうしたカメラ機能は、標準のカメラアプリでも一部は使えますが、全てを使うためには、新たに搭載されるPhotography Proアプリが必要となります。

日本ではXperia 1 II発売後のアップデートによって提供される予定(「5月下旬の発売からそう間もない時期に」とのこと)です。Photography Proは、Xperia 1で搭載された「Cinematography Pro」アプリのように、本格的なカメラのUIを採用したアプリ。各種項目をマニュアルで設定して撮影できます。

  • Photography Proの操作画面。物理的なシャッターボタン(半押しにも対応)があるため、画面上にシャッターアイコンがないのも特徴です

  • Photography Proの主な特徴

Photography Proでは、αの画面UIを再現しつつ、スマートフォン画面に合わせて最適化したインタフェースを用意。撮影モード、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランス、フォーカスモードといった各種の設定変更ができることに加え、AF/AE追従の秒20コマ連写や瞳AFなどの機能も利用可能です。「Xperiaがイメージングプロダクトの1つとして、本格撮影ができるカメラの一翼を担っていきたい」と同社では話しています。

UIに関しては世界中の写真家数十名へのヒアリングを重ねてブラッシュアップしてきたそうで、頻繁に使う機能をファンクションエリアに配置したり、撮影ダイヤルを模したアイコンを置いたり、シャッターボタンを押して撮影されるまでの間隔を調整するなど、改良を続けてきたそうです。

  • プロの写真家とのヒアリングの様子

αユーザーも満足してもらえるカメラ機能を実装したと自信を見せる同社では、Xperia 1 IIのPhotography Proによって、本格的なカメラ撮影にチャレンジすることでカメラ好きになってもらえるチャンスが増え、ステップアップの入口になってほしいと期待を寄せています。