Nintendo SwitchおよびLiteのゲームには、ゲームカードで提供されるパッケージ版とニンテンドーeショップで配信されているダウンロード版の2種類がある。筆者は、ついにNintendo Switchで初音ミクのDivaシリーズが発売されるとウキウキで店頭特典もあることから、パッケージ版の「初音ミク Project DIVA MEGA39's」を購入した。

どこでも手軽に遊べるからと、Nintendo Switch Liteでプレイしていたのだが、曲によってはロード時間が長いことが気になった。これはダウンロード版のほうが快適なのではという疑問が湧く。Nintendo Switchでは、多くのゲームで「ダウンロード版を本体のメモリにインストールする」のが一番ロード時間が短くなることを、当然ながら知っているからだ。

しかし、Nintendo Switchの本体メモリは32GBしかない。本体システムで2~3GBが使われているので、実質30GB以下しか使えないのだ。初音ミク Project DIVA MEGA39'sのダウンロード版はアプリケーションデータと更新データなどを合わせると14.5GBに達する。本体メモリーにインストールすると半分程度しか容量が残らない。そのため、多くのダウンロード版ゲームを遊ぼうと思ったら、データの保存に使用できる大容量のmicroSDカードが必要だ。

そこで、大容量かつ高速なmicroSDカードを使えば、ゲームのロード時間を本体メモリー並に高速化できるのではと思い、今回はKingstonの最新microSDカード「Canvas Go! Plus」が手に入ったので、これで試してみることにした。

  • Kingstonの最新microSDカード「Canvas Go! Plus」を入手

    Kingstonの最新microSDカード「Canvas Go! Plus」。4つの容量をラインナップする。写真は512GB版。実売価格は21,000円前後

microSDカード選びで覚えておきたい「規格」

Canvas Go! PlusのmicroSDカードは、64/128/256/512GBと4つの容量をラインナップし、読み込み170MB/秒、書き込み90MB/秒(64GB版のみ70MB/秒)と高速なデータ転送が可能なのが魅力だ。規格としては、Class 10、UHS-I、U3、V30、A2をサポートする。それぞれ、速度やどの用途に適したmicroSDカードなのかを示すものだ。例えば、A2はスマホでアプリを高速に実行できることを示している。

  • 基本的にどの規格に対応しているかは、microSDカードを見れば記載されている

Nintendo Switchで使う場合にチェックしておきたい規格は「UHS-I」だろう。UHSというのは、SDカードの速度規格で、より高速な「UHS-II」という規格もあるがNintendo Switchは非対応。UHS-II対応のmicroSDカードも使えるが、その速度を活かしきれない。そのため、「UHS-I対応でデータ転送速度が高速なもの」が、Nintendo Switchでロード時間を短くしてくれるmicroSDカードと言える。

ちなみに、UHS-Iは規格上の上限速度は104MB/秒だが、Canvas Go! PlusではKingston独自の技術で最大170MB/秒を実現している。ただし、そのフルパフォーマンスを発揮するには同社のMobileLite Plus SDリーダーが必要となる点は注意したい。Nintendo Switchで、そこまでの速度が発揮されるとは限らないのだ。それでも、最大データ転送速度が高速な製品のほうがいいに決まっているわけだが。

実測ベンチマーク! MEGA39'sはどこまで速くなる?

ここから、実際に速度をチェックしてみたい。用意したのは、Canvas Go! Plusの512GB版「SDCG3/512GB」。まずは、PCでMobileLite Plus SDリーダーと組み合わせ、CrystalDiskMark 7.0.0hを使って最大速度を確かめる。

  • MobileLite Plus SDリーダーにCanvas Go! Plusの512GB版を挿し、PCのUSB 3.2 Gen2ポートに接続してテストした

  • CrystalDiskMark 7.0.0hの実行結果。連続読み込みで180MB/秒超えと公称以上の速度を見せた

次は本題となるゲームのロード時間だ。Nintendo Switch Liteを使い、初音ミク Project DIVA MEGA39'sをゲームカード(パッケージ版)、本体メモリー(ダウンロード版)、Canvas Go! Plusの512GB版(ダウンロード版)のそれぞれでプレイしたときのロード時間を比較する。

初音ミク Project DIVA MEGA39'sは、曲に登場するキャラクターが多いほどロード時間が長くなる傾向になるため、テストには6人登場の「DECORATOR」を使用。リズムゲームがスタートするまでと、カスタマイズ画面が表示されるまでの時間をそれぞれ測定した。

  • ゲームカード(パッケージ版)の初音ミク Project DIVA MEGA39's

  • ダウンロード版は本体メモリーとCanvas Go! Plusの両方で試す

  • 初音ミク Project DIVA MEGA39'sの各種ロード時間

<動画>初音ミク Project DIVA MEGA39'sのロード時間を比較

結果を見ると、やはり本体メモリーが一番高速だが、Canvas Go! Plusがそれに迫っている。起動時間はほぼ変わらず、ロードの長いリズムゲームでも1秒程度。かなり良好な結果と言えるだろう。ちなみに、登場キャラクターが1人だけの曲として、「二次元ドリームフィーバー」でもリズムゲームが開始されるまでの時間を測定してみたが、ゲームカードだと18.04秒、本体メモリーだと15.57秒、Canvas Go! Plusだと15.77秒となった。本体メモリーとCanvas Go! Plusでほとんど差がなくなっている。

このように、高速なmicroSDカードを使用すれば、ダウンロード版のロード時間は本体メモリーに迫るほど高速化できる。Canvas Go! Plusはその用途にうってつけと言えるだろう。今回は512GB版を使用したが、128GB版なら3,000円台で購入できる。その高速性を試してみては?