これからiPhoneを購入しようというとき、特に中古品を含めて検討している場合は、どのSIMカードを使おうかと考えているはず。しかし、自由にSIMカードを選べるiPhoneには「SIMフリー」と「SIMロック解除(済)」の2種類があるので、違いが気になるところです。
そもそもSIMロックとは、特定のSIMカードしか動作しないよう携帯電話/スマートフォンに施す機能制限のことで、携帯電話会社(通信キャリア)経由で販売されるほとんどの端末に施されています。端末を安価に/大幅に割り引いて販売する代わりに、その通信キャリアの回線を利用してもらおうという一種の販売戦術です。
通信キャリアを介さずに販売される携帯電話/スマートフォンは、そのような回線使用に関わるしがらみがないため、工場出荷時点からSIMロックが施されていません。それが「SIMフリー」端末で、中古品を除けば、iPhoneの場合はApple Storeと一部量販店(2019年11月以降)で販売されています。
SIMロックは総務省の方針により解除が義務化され、一定期間経過後は顧客からSIMロック解除の要求があれば受け入れなければならなくなりました。iPhone 6s以降のiPhoneであれば、通信キャリアの店頭またはWEBサイトから申し込むと、SIMロックを解除できます。
ということは、SIMフリーのiPhoneとSIMロック解除したiPhoneでは、自由にSIMを選べるという点で差がないことになります。日本で販売されているiPhoneの場合、SIMロック解除の義務化よりあとに発売されたiPhone 6s以降であれば、キャリアによる周波数帯の違いの影響も受けず、まったく同等に利用できます。同じ仕様の端末を、各キャリアの裁量でロックしているに過ぎないからです。
ところで、Android端末はSIMフリーとSIMロック解除はイコールになりません。多くのAndroid端末は、販売するキャリアの要望に応じた仕様で製造され、対応する周波数帯も合わせているためです。SIMロック解除すれば他のキャリアのSIMを使えるようになるものの、そのキャリアで使いやすい/つながりやすいとは限りません。