シナノケンシ(ASPINA)とユニバーサルロボット(UR)は11月19日、ASPINAが開発・製造する電動3爪ロボットハンド(グリッパ)「ARH305A」がURの協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「Universal Robots+」製品として認証を取得したことを発表した。

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  • ASPINAの電動3爪ロボットハンド(グリッパ)「ARH305A」

ARH305Aは、手作業をロボットに代替させるために必要な異物を柔軟に把持できる機能を実装した電動3爪ロボットハンド。日本メーカーが手掛けるグリッパとしては、初のUniversal Robots+認証取得製品となる。

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    日本メーカーとして初めてUniversal Robots+認証をグリッパとして取得した

その主なターゲットは協働ロボットによる代替が期待される電子機器などの製造現場のほか、食品・化粧品・衣料品のいわゆる三品市場や物流分野としている。特長としては大きく3つ。1つ目は、異形物や柔らかいもの、細かいものでも把持が可能という点。「あらゆるものを把持できる」ということを目的に開発が進められ、独自のステッピングモーターを採用したサーボシステムを搭載することで、対象物の柔らかさや硬さに併せて把持力を柔軟に対応するほか、大きさや細さが違うものであっても、柔軟に把持することができるようにしたという。同社が調べたところによると、太さ0.5mmのシャープペンの芯を掴むことができることまでは確認できたとする。

2つ目は中空構造を採用した点。ロボットハンド中央部に奥まで穴が空いており、そこにアタッチメントとして用途に応じてカメラやライト、エアフローなどを取り付けることができるようになっている。今後、ASPINAとしても、対応オプションを拡充していく予定であるという。

そして3つ目が、コントローラ部、モータ部、ハンド部を一体化させることで、省スペース化とアームへの容易な取り付けを実現したという点。コントローラとモータがハンドと一体化しているため、ロボットの動作範囲の制限を最小限に抑えることが可能となったほか、用途に応じてさまざまな形状の爪にすることで、ニーズに応じた把持を実現することが可能となっている。

なお、ASPINAでは、2020年に2爪ロボットハンドや、より強いトルクが出せる大型3爪ロボットハンドのモデルを発売する予定としており、それらのモデルの活用も進め、発売から3年以内に1000台の出荷を目指すとしている。

電動3爪ロボットハンド(グリッパ)「ARH305A」のデモの様子。形状の異なる3つの物体を次々と掴むことができている