日本マイクロソフトは10月30日、都内で同社が注力するエンタープライズ分野の1つである「Smart Buildings & Spaces」、いわゆるスマートビルディングの実現に向けた取り組みについての説明会を開催。さまざまなビル管理のためのサービスを横串で連携させることが可能なリファレンスアーキテクチャの提供などを行っていくことを明らかにした。

Smart Buildings & Spaces分野に同社が取り組むきっかけとなったのは、米国シアトルの本社のスマートビルディングに向けた取り組み。ここで得られた知見などをパートナーと協力してコンサルティングサービスとして提供してきたが、そうしたパートナーとの連携は日本でも重要であり、国内の複数のビル関連のパートナーとの連携を強化してきたという。

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    Smart Buildings & SpacesにおけるMicrosoftのアプローチ (資料提供:日本マイクロソフト)

その最大の柱となるのがビル管理などのデータやサービスを連携させることを可能とする「サービス連携リファレンス アーキテクチャ」の無償提供。主だった機能としては「機能マップ」「アーキテクチャマップ」「実装サンプル」の3つで、機能マップとアーキテクチャマップはドキュメントとして、実装サンプルは文字どおり、エンジニアなどが技術を学ぶために活用するサンプルとなっている。同社では品川の本社ビルの一画に展示ブースを設けており、そこで実際にみてもらうことも可能にしたという。

  • サービス連携リファレンス アーキテクチャ
  • サービス連携リファレンス アーキテクチャ
  • サービス連携リファレンス アーキテクチャの概要 (資料提供:日本マイクロソフト)

日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 運輸・サービス営業統括本部 インダストリーエグゼクティブ MaaS & Smart Space ソリューション本部 専任部長の清水宏之氏は、そのメリットについて、「今までクラウドを使ってビルの価値を向上させようと思っても、さまざまなサービスをどう連携させるか、といったことなどが課題となっていた。しかし、このリファレンスを活用してもらうことで、早期にサービスを活用してもらえるようになる。スマートビルディングのコアとなるサービス部分は、カスタマが提供する一方で、面倒なセキュリティやユーザー認証基盤、データの管理などを我々が提供することで、カスタマは競争領域であるソリューション開発に注力してもらうことができるようになる」と説明する。

  • サービス連携リファレンス アーキテクチャ
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  • サービス連携リファレンス アーキテクチャのメリットと競争領域・非競争領域の考え方 (資料提供:日本マイクロソフト)

現在、この取り組みのパートナーとして関わっている企業は7社。

  • ダイダン
  • 電通国際情報サービス(iSiD)
  • ジョンソンコントロールズ
  • ユニテック
  • アイスクウェアド
  • JSOL
  • SBテクノロジー
  • サービス連携リファレンス アーキテクチャ
  • サービス連携リファレンス アーキテクチャ
  • サービス連携のためのパートナー群と、パートナーそれぞれの役割のイメージ (資料提供:日本マイクロソフト)

このほか、産学連携パートナーとして「東大グリーンICTプロジェクト(GUTP)」が名を連ねており、日本マイクロソフトでは、将来的なBIMとの連携なども含め、さらなる進化を目指してさまざまな角度からパートナーと連携を深めていくことで、ビルのデベロッパーやオーナーが抱えている人中心というトレンドにどう対応していくか、という課題に応えられる価値の提供をしていきたいとしている。

  • サービス連携リファレンス アーキテクチャ
  • サービス連携リファレンス アーキテクチャ
  • ビルデベロッパーやビルオーナーが抱えているスマート化に向けた課題とそれを解決するためのサービス連携基盤がもたらす効果 (資料提供:日本マイクロソフト)