iOS 13では、iPhoneのデータ通信量を低減する「省データモード」が新たに用意されました。動画の再生やアプリのダウンロードなど、なにかのきっかけで自動的に(システムのバックグラウンドで)行われるデータ通信を抑制する働きがあり、ひいてはデータ通信費の節約に貢献します。

不要不急のデータ通信、具体的にはモバイルデータ通信(通信キャリアへの支払い対象となる通信)を自動処理の対象から外すことで通信費を節約することが省データモードの存在意義といえますが、対象はモバイルデータ通信だけではありません。Wi-Fiにも省データモードが用意されていることからしても、通信費の節約だけが狙いではないのです。

ひとつには、データ転送量を減らしたい状況が挙げられます。Wi-Fiの電波に難がある場所では通信速度が遅く、データ転送量が大きいとそれだけ時間がかかります。省データモードで転送量を減らすことができれば、多少とはいえWi-Fiの遅さ/帯域の細さに抵抗できるというわけです。ミュージックアプリでは音楽(Apple Music)のストリーミングが、FaceTimeのビデオチャットが低帯域幅用に最適化されるため、たびたび音楽/映像が停止する事態を減らせます。

もうひとつは、iPhoneのストレージ残量が乏しいときです。省データモードが有効なときには、写真アプリのiCloudとの同期が行われなくなるほか、ミュージックアプリの自動ダウンロードも停止されるため、ストレージの消費ペースを抑制できます。

Wi-Fi接続時に省データモードを利用するには、『設定』→「Wi-Fi」の順に画面を開き、対象とするWi-Fiアクセスポイントの「i」ボタンをタップ、現れた画面で「省データモード」スイッチをONにします。

  • Wi-Fiの「省データモード」って意味があるの?

    省データモードはWi-Fiにもあります