メール・チャット・LINE対応のオンラインサポートが急増中

沖縄コールセンターの主力は電話サポートだが、2016年にはメール・チャット・LINEを使ってユーザー対応するオンライングループが新設された。立ち上げ時のスタッフは15人くらいだったが、2019年8月の時点では20人に増えている。メール・チャット・LINEの中でも、立ち上げ時から比較してLINEによる相談が10倍以上に増えているという。

LINEやチャットによるユーザーサポートが優れているのは、ユーザーが自分のペースでやりとりしやすい点や、英語のエラーメッセージなどを文字で伝えられること、スクリーンショットを送って質問できること、1人のスタッフが複数のユーザーをサポートできることなどだ。慣れたスタッフは、一度に5人10人のユーザーとLINEするというから(すべてにきちんと対応できることに)驚いた。

ちなみに、一番多い問い合わせは電話によるものだが、電話を使うのは40代以上のユーザーがほとんど。30代以下はまず電話は使わず、メール・チャット・LINEのオンラインサポートを利用するとのこと。妙に納得。

  • マウスコンピューター沖縄コールセンター

    オンライングループが導入しているチャットツール。3人くらいまでなら何とかなりそうな気がしないでもない……(のは気のせいだろう)

サポート対応は社内で共有、次期製品の開発に生かす

少し話が戻るが、コールセンターを自社化したことで、ユーザーの声をダイレクトに集められるようになった。これをマウスコンピューターの各部門で共有、議論することによって、品質に関する社内的な対応のスピードアップと精度アップ、さらに次期製品の開発スピードアップと品質アップにつなげている。

毎週の「品質管理ミーティング」に参加するのは、コールセンター部門、品質管理部門、開発部門、購買部門、修理部門(リペアセンター)の責任者と現場担当者だ。マウスコンピューター 取締役 開発本部長の軣秀樹(とどろきひでき)氏も加わる。

例えば、ユーザーのマシンでハードウェア的なトラブルが発生した場合、ひょっとしたら開発や設計のとき潜んでいた問題が顕在化したのかもしれない。こうしたトラブルの原因を切り分け、必要に応じて解決するのは、ハードウェアに精通した開発部門の力が不可欠だ。

「コールセンターだけでは解決できない部分も多く、これらを解決するには関連部門との連携が近道。それを制度化したりルール化して運用するだけではなく、社内の文化として浸透させていくことが大切です。そうして解決する案件が増えることは、マウスコンピューター全体で課題解決に向かう文化が築かれていることを実感する瞬間でもあります。今後もその文化を浸透させ、お客さま満足度を高めていきたいですね」(佐藤氏)

  • マウスコンピューター 佐藤謙氏

    マウスコンピューター サービス本部長 佐藤謙氏

  • マウスコンピューター 上原直哉氏

    マウスコンピューター コールセンター 上原直哉氏

ユーザーサポートを上手に受けるコツ

最後に、マウスコンピューターのユーザーサポートを上手に受けるコツを挙げておこう。

  • 製品のシールや保証書に書かれているシリアルナンバーをメモしてから問い合わせること。すると、サポートスタッフがすぐにパソコンの構成を把握でき、速やかな問題解決につながる。

  • 電話で問い合わせる場合、事前にマウスコンピューターのWebサイトでヒートマップを確認。曜日と時間帯の混雑状況を調べて、できるだけ空いている時間帯に電話する。

  • ちょっとした質問や問い合わせ、電話する時間が取れない場合は、メール・チャット・LINE対応のオンラインサポートを積極的に利用する。結果的に、電話で問い合わせるよりも早く解決することも多い。