CEVAは9月17日、エッジデバイス向けディープラーニング推論向けとなる次世代AIプロセッサアーキテクチャ「NeuPro-S」、NeuPro-Sコアとカスタム・ニューラルネットワーク・エンジンとのヘテロジニアス協調プロセッシングに対応する、最適化ランタイム・ファームウェアとなるニューラルネットワーク・コンパイラ「CDNN-Invite API」を発表した。
NeuPro-Sは、エッジデバイスの動画や画像に映っている物体のセグメンテーション、検知、クラス分類を担うニューラルネットワークの処理に特化したプロセッサアーキテクチャで、外部SDRAMによる高コストな転送の削減につながる複数階層メモリシステム、複数の重み圧縮オプション、CEVA-XM6ビジョンDSP、NeuPro-Sコア、カスタムAIエンジンのさまざまな組み合わせを実現する異種ハードウェア混在設計への対応により、システム面での性能を強化を図ることが可能となっている。
そのため、性能としては、同社の第1世代AIプロセッサと比較した場合、平均して50%のパフォーマンス向上、40%のメモリ帯域幅削減、30%の消費電力削減を実現するとしている。
NeuPro-Sファミリとしては、サイクル当たり1000個の8ビットMAC(積和演算)に対応する事前構成済みプロセッサ「NPS1000」、同2000個の「NPS2000」、同4000個の「NPS4000」がラインアップ。NPS4000は、クロック数1.5GHzでコア当たり最大12.5TOPSという高いCNNパフォーマンスを発揮し、最高100TOPSまでの拡張に対応するという。
一方のCDNN-Invite APIは、市場が拡大しつつあるアプリケーション特化型の多様なニューラルネットワークやニューラルプロセッサに対応するもので、このAPIを使うことで、CDNN(CEVA Deep Neural Network)フレームワークにカスタマが設計したニューラルネットワーク・エンジンをシームレスに組み込むことが可能になり、ネットワークや階層の全体的な最適化を図ることができるようになると同社では説明している。
なお、NeuPro-Sはすでに提供を開始しており、主なターゲットとしては、自律走行車、スマートフォン、監視・防犯カメラ、民生用カメラのほか、AR/VRヘッドセットやロボット、産業用途としており、すでに自動車・民生用カメラの適用領域では主要カスタマに向けたライセンス提供が始まっているという。CDNN-Invite APIも主要カスタマ向けに提供が始まっているほか、2019年末までに一般向けライセンス提供も開始する予定だとしている。