ノートPCのキーボードの手前にあるタッチパッド。ここを「ScreenPad」と銘打ってサブディスプレイ化したのがASUSのZenBook Pro 15 UX580だが、そのScreenPadを受け継ぐ新たなZenbookが登場した。それが2019年8月20日に国内発表された「ZenBook 14 UX434FL」と「ZenBook 15 UX534FT」だ。

  • ASUS ZenBook 15 UX534FT (税別222,500円、8月23日発売)

今回、ZenBook 15 UX534FT (税別222,500円、8月23日発売)の実機を入手できたので、このスリムでスタイリッシュ、サブディスプレイで新しい使い方も提案するユニークなメインストリームモデルを試してみよう。

  • ASUS ZenBook 15 UX534FT (税別222,500円、8月23日発売)

ディスプレイ内蔵タッチパッド「ScreenPad」が進化

ASUSはZenBook Pro 15 UX580でサブディスプレイを兼ねたタッチパッド「ScreenPad」を採用し話題を集めた。ZenBookのScreenPadは、PCのセカンダリディスプレイとして機能し、その上で独自機能も盛り込んだものだ。ZenBook 15では、それをさらにブラッシュアップし、ScreenPad 2.0へと進化させている。

  • ZenBook Pro 15 UX580から受け継がれたScreenPadは第2世代に進化した

ZenBook 15は、狭額縁ベゼルを採用した15.6型ノートPCだ。狭額縁ベゼルは今では多くのノートPCで採用が進んでおり、新モデルが登場するたびにより狭額化が進んでいるようにも感じられる。実際、ZenBook 15はZenBook Pro 15 UX580と画面の表示サイズは変わらないが、本体の幅はZenBook Pro 15 UX580の365mmから354mmへと11mmも狭くなっている。なお、液晶パネルの上部ベゼルも狭額化しており、本体の奥行きはZenBook Pro 15 UX580の242mmから220mmへと22mmも短くなった。厚みに関してはどちらも18.9mmで変わらない。しかし幅11mm、奥行き22mmも小さくなるとさまざまなカバンに収めることができるようになる。重量1.7kgなのでモバイルと呼ぶには少し重めだが、モバイルする気にさせてくれるサイズ感だ。

  • ベゼル幅は左右が5mm、下部も5mm、上部が8mm。ディスプレイ占有率が高く映像への没入感も高まる

  • 8mm幅の上部ベゼルにはWebカメラを搭載。ほかの狭額縁ベゼル採用モデルのようにキーボード面やヒンジ側に移設していないため、顔を正面から自然にとらえやすい。Windows Helloの顔認証ログインにも対応している

液晶ディスプレイは15.6型で、解像度は1920×1080ドット。ZenBook Pro 15 UX580はハイスペックで3840×2160ドットパネルを採用していたが、ZenBook 15はこの点で少しメインストリーム寄りへと性格を変えた。表面処理はグレアで映り込みはやや多く、発色がよい点を活かしたホーム&エンタテインメント用途向きだ。

  • グレアパネルで映り込みは多いが視野角は広く発色もよい

液晶パネルを開くと、ヒンジ部分が床に着き、キーボード面を押し上げるエルゴリフト構造を採用している。これによって生まれるチルト角は3°。前方がスリムなデザインと合わせ、タイピング時の手首への負担が抑えられる。

  • 90°開いたところでヒンジ端が床に当たる

  • さらに液晶パネルを開いていくとヒンジ端がキーボード面を押し上げる

キーボードは103キー日本語配列で10キーも付いている。主要なキーの配列は一般的なものと同じだが、スペースキーの右4つのキーは幅が狭い。また、10キーも詰まった印象がある。ただし全体的に気になる部分はない。

  • 10キー付きの103キー日本語配列。スペースキーの右4つのキーが細く、上下左右キーが縦も細いが、ほかは一般的な配列、一般的なピッチだ

タッチパッドのScreenPad 2.0は、先代と比べて横解像度が拡大した5.65インチ。解像度は2160×1080ドットで、メインの1920×1080ドットディスプレイとそれほど変わらないドット数だ。ほか内部接続は外部GPUではなくCPU統合GPUを利用しており、消費電力を抑えたとしている。

  • Windowsからはデュアルディスプレイとして認識される

ノートPCではよく、キーボードのファンクションキーなどでタッチパッドのON/OFFを切り替えることがある。本製品も同様にF6キーで切り替え可能だが、ON/OFFに加えてScreenPadモードが加わる。また、ScreenPadモード中に3本指でタッチするとタッチパッドモードに変わる。また、ScreenPad領域にウインドウを表示させている間はディスプレイ機能+タッチパッドモードになるようだ。

  • 3本指タッチをすることでタッチパッドモードに切り替わる(しばらく放置すると戻る)

ScreenPadモード中に並ぶアイコンは、ランチャーとして利用できWindowsのスタートメニューのようによく使うアプリや機能をピン留め可能だ。

また、ScreenPad 2.0とZenBook 15で進化した一つにオフィスツールが挙げられる。Microsoft Officeアプリを起動した際、ScreenPad 2.0が手書き入力の領域になったり、書式設定ボタンが表示されたり、タッチ10キーになったりする。

  • 通常のScreenPadモードではアイコンが並び、ランチャーとして機能する

ホーム用途で言えば、ScreenPad 2.0は動画や音楽などのメディアプレーヤー、SNSやメッセンジャーなどを表示させておくとメインの作業を邪魔せず操作ができる。3本指でタッチパッドモードと切り替えられることも操作がシンプルで覚えやすい印象だった。

  • 作業の息抜きとして動画や音楽プレーヤーを置いたり、SNSを表示させて情報収集したりと、タッチパッド部分のセカンダリディスプレイは思った以上に活用幅がある