半導体市場動向調査会社である米IC Insightsは、世界半導体市場統計(WSTS)の定義する33種類のIC製品カテゴリごとの2019年の前年比成長率に関する予測を発表した。

それによると、33品種のうち、76%にあたる25品種の2019年の成長率がマイナスになると予測されている。中でもバブルが終焉して、価格低下が続くDRAMおよびNANDは特に3割を超える大幅な下落が予想されている。

IC全体の市場規模は、前年比15%減と予測しているが、マイナス成長が予測されている25製品のうち9製品カテゴリが同10%以上のマイナス成長となり、16製品カテゴリが横ばいもしくは1桁%のマイナス成長になると予測されている。一方、残りの8製品カテゴリは、前年比でプラス成長を達成するとみられる(2018年は22製品でプラス成長)。

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    IC製品カテゴリ別売上高の2018/2019年の前年比成長率分布。2018年は実績、2019年は予測 (出所:IC Insights)

成長に最大のブレーキをかけることとなるのは同38%減のDRAM。2番手は同32%減のNAND、そしてSRAMが同18%減と、ワースト1~3位までをメモリが占めるとみられ、メモリ市場が半導体市場全体の足を引っ張る年になるとIC Insightsでは指摘している。

また、2019年でもっとも高い成長力が期待されるのは産業用ロジックICで、同38%増。2番目がディスプレイドライバICで同19%増、3番目がPLDで同10%増となっており、これら3製品カテゴリのみ2桁%のプラス成長が予測で、注目される車載ロジックICは同9%増、車載用アナログICは同4%増となっている。

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    2019年のIC製品カテゴリ別売上高の前年比成長率ランキング (*印は、組み込みプロセッサは含むがGPUは含まない) (出所:IC Insights)