この1~2年で、マイカーにドライブレコーダーを装着する人が増えました。思わぬ事故やトラブルに備えるのが目的ですが、帰省や行楽などの際に通ったルートを動画で記録する思い出ツールとしても役立ちます。

  • 帰省や行楽などでクルマを使う機会が増えるお盆は、ドライブレコーダーが旅の記録を残してくれる。だが、撮りっぱなしでは改めて見ることもなく、実にもったいない

    帰省や行楽などでクルマを使う機会が増えるお盆は、ドライブレコーダーが旅の記録を残してくれる。だが、撮りっぱなしでは改めて見ることもなく、実にもったいない

ただ、大半のドライブレコーダーは動画が数分程度で細かく区切られて記録されるので、多くのファイルを次々に再生するのは面倒。何より、数時間にもわたるドライブの記録を単純にのんべんだらりと再生するのは退屈だし時間のムダでしかありません。

そこで、ドライブレコーダーで撮影した映像を「夏休みの思い出動画」として楽しむための方法を紹介しましょう。キーワードは「簡単な動画編集」です。

ドラレコ動画、そのままでは扱いづらい

ドライブレコーダーは、クルマのエンジンをかければ起動し、走行シーンを自動的に撮影してくれるので便利だ。ただ、そのような手軽さの反面、撮影した動画ファイルはいささか扱いづらい。

機種や設定により異なるが、ドライブレコーダーの映像は1分や3分、5分など短い動画ファイルとして記録されるのが一般的なので、次々にファイルを開いていく必要がある。ある動画ファイルの最後と次のファイルの最初にまたがって記録されたシーンを見たい場合は、編集ソフトを使って2つの動画ファイルを1つにつなぐ必要がある。

  • ドライブレコーダーが記録した動画ファイルの例。5分ごとに1つのファイルが作られているのが分かる

また、高速道路を延々と走行している場面など、変化の少ないシーンは早送りで飛ばしたいもの。そのような場合は、動画をタイムラプス(低速度撮影=高速再生)動画に変換して、短時間で見られるようにするとよい。

これらの動画編集は、無料で利用できるパソコン用のフリーウエアを使えば比較的簡単にできる。オススメは「Avidemux」というフリーウェア。多機能なソフトゆえできることは多数あるが、今回は映像をつなぐ、映像の不要な部分をカット、ファイル形式の変更、解像度の変更といった一部の機能を利用する。

サンプルとして、ドライブレコーダーで撮影した5分+5分=10分の動画を、ハイライトシーンを中心にAvidemuxで1分半ほどに短縮してみた。テロップ処理、タイムラプス処理、モザイク処理も加えたところ、メリハリのある動画に仕上がった。このような退屈感のない動画にすることを目標にしてみよう。

おいしいシーンを中心に、1分半ほどに短くまとめたドラレコ動画。Avidemuxを使えば、このような見ていて飽きない動画の編集が比較的簡単にできる

ソフトをインストールしたら日本語化も済ませよう

では、まずAvidemuxのインストールと日本語化から始めよう。公式サイトのダウンロードページにアクセスし、自分の環境に合ったファイルをダウンロードすればよい。Windows 10ユーザーなら「win64」を選択しょう。

  • 「Avidemux」の公式サイトのダウンロードページで、下のほうにあるwin64の「FossHub」をクリック

「Avidemux 64-bit Windows Installer」をクリックし、ダウンロードしたファイルを実行すると、日本語でインストールが開まる。基本的にそのまま「次へ」をクリックすればインストールは完了する。

  • 「Avidemux 64-bit Windows Installer」をクリック

そのままでも一部日本語化はされているが、大半は英語表記のままなので、使いやすさを考えて日本語化も進めよう。Webサイト「TiltStr::不定期版」の「Avidemux - 日本語言語ファイル」から、インストールしたAvidemuxと同じバージョンの日本語言語ファイルをダウンロード。ダウンロードしたファイルを解凍し、「avidemux_ja.qm」というファイルを「Program Files」→「Avidemux 2.7VC++64bits」→「qt5」→「18n」に上書きコピーをすると日本語化が完了する。

  • 標準状態のAvidemuxは、ほんの一部だけしか日本語化されていない。フィルターも左側の分類は日本語化されているが、フィルターは英語表記のまま

  • 日本語化を実行するとフィルターも日本語表記となり、分かりやすくなった

ちなみに、ドライブレコーダーの動画ファイルはメーカーによりフォーマットが異なる。今回、4種類のドライブレコーダーで撮影した動画ファイルをサンプルとして用意したところ、どれも仕様が異なっていた。だが、すべてAvidemuxで編集できたので、基本的にドライブレコーダーの機種を問わず対応していると考えてよいだろう。

  • 4つのドライブレコーダーのファイル仕様