米Appleは7月30日 (現地時間)、同社の2019年度第3四半期 (2019年4月~6月)決算を発表した。中国市場とiPhoneの減速が続くものの改善しており、それらを上回るサービスとウェアラブル、iPad、Macの伸びによって、6月期としては過去最高の売上高を記録。3四半期ぶりの増収で、売上・1株利益ともアナリストの予想平均を上回り、時間外取引でApple株は上昇した。

一時は売上高全体におけるiPhoneの割合が7割を超え、iPhoneへの依存が過ぎる問題が指摘されていたが、4〜6月期にiPhoneの売上高比率を50%以下 (48%)に縮小させながら増収を実現。ここ数年のサービスとウェアラブルへの投資強化の効果、iPhone依存の解消が進んでいることを示した。サービスは売上高の過去最高を更新。ウェアラブル/Home/アクセサリは前年同期比48%増の伸びで、売上高がiPadを上回った。Appleが注力するサービスとウェアラブルを合わせた売上高の規模を、CEOのTim Cook氏は「Fortune 50企業の規模に近づいている」と表現した。

  • ウェアラブル/Home/アクセサリの売上高48%増

    好調なウェアラブル、主力製品は「AirPods」

4〜6月期の売上高は前年同期比1%増の538億900万ドル。純利益は同13%減の100億4400万ドルだった。1株あたり利益は2.18ドル。市場予想の平均は、売上高533億9000万ドル、1株利益2.10ドルだった。

4〜6月期にAppleは、4月にワイヤレス技術を巡るQualcommとの訴訟合戦で全面和解したことを発表。5月に新しいApple TVアプリをリリース、「MacBook Pro」をアップデートし、新しい「iPod touch」を発売した。そして6月にWWDC 2019において「iOS 13」「iPadOS」「macOS Catalina」「tvOS 13」、新しい「Mac Pro」と「Pro Display XDR」を発表した。

売上高の内訳は「プロダクト」が423億5400万ドルで前年同期比2%減、「サービス」が114億5500万ドルで同13%増だった。以下は各製品カテゴリーの売上高(増減は前年同期比)。

  • iPhone:売上高259億8600万ドル (12%減)
  • Mac:売上高58億2000万ドル (11%増)
  • iPad:売上高50億2300万ドル (8%増)
  • ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高55億2500万ドル (48%増)
  • サービス:売上高114億5500万ドル (13%増)

2019年7〜9月期の売上高については610億〜640億ドルという見通しを示した。アナリストの予想平均は610億ドル。