京セラは7月24日、独自のLED技術「CERAPHIC」を採用することで、より高品質な肉質の等級判定を可能とするLEDハンディライト(型式名:GHL-43NA)を開発し、日本食肉格付協会が、牛枝肉取引規格に基づいて肉質等級を判定する際に使用するハンディライトとして採用したことを発表した。

これまで肉質の等級判定には白熱電球が用いられてきたが、近年はLED電球への切り替えが進められていた。しかし、一般的な白色LEDは演色性が低く、色の再現性が難しいとされており、色を正しく見極めることが求められる分野では、より高い演色性を実現できるLED照明に対するニーズが強かった。

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  • LEDハンディライト(型式名:GHL-43NA)の外観。ヘッドの向きは3段階に切り替えが可能。また、独自のレンズ技術により、光が均一に照らされるような工夫が施されるなど、色を正確に伝える、ということにこだわって作られたという

CERAPHICは、紫色LEDとRGB蛍光体を組み合わせることで、光のスペクトルをカスタマイズして、目的に適した光を作ることが可能なLED技術。色の分離が少ない照明ができるため、光の照射範囲全体を均一な品質で照らすことを可能とする。

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  • わかりづらいが、左が京セラ開発のLEDハンディライトの明かり、右が従来用いられてきた白熱電球式ハンディライトの明かり。LEDハンディライトの方が色むらが少ないことが分かる

今回のLEDハンディライトは、格付協会の協力のもと、冷蔵庫の中においても肉や脂肪の色沢が見やすいように光のスペクトルを調整。色温度4200K、照度9000lx(Typ.、6300lx MIN)、照度も9000lx Typ(6300lx MIN)(30cm直下)を実現したほか、独自の光学技術を活用したレンズ設計手法を採用することで、肉に光を当てた際に、見たい部分をピンポイントで、かつムラ無く均質に照らすことを可能にしたという。

なお、同製品は格付協会以外での活用に向けて冨士平工業より7月31日より販売される予定。価格はオープンだが、想定としては数万円ほどとなる見通しだという。また京セラでは、CERAPHICの高演色とスペクトルの調光技術を活用した製品を今後も開発していくとしており、食品関連や印刷、建設、設計、デザイン関連など、色の品質が求められる業界に向けて幅広く展開していきたいとしている。