スマホアプリでもパソコンでも、統一されたシンプルなUI
YouTube Musicのサービスは、Androidアプリ、iOSアプリ、PC版とも、ユーザーインタフェースが統一されていて、シンプルで直感的に使いやすいデザインが特長です。作品のカバーアートやアーティストのビジュアルを大きく使っているので、華やかで見栄えもします。ただ、一つひとつの画像が大きいぶん、画面の小さなスマホでは縦スクロールの回数は増えます。
AndroidアプリとiOSアプリは、画面の下にホーム・ホットリスト・ライブラリの3つがグローバルメニューとして表示されます。検索アイコンは画面の右上です。その隣のアカウントアイコンをタップして中に入ると、「設定」メニューにたどり着きます。
ホーム画面のトップには、AIがレコメンドする楽曲やアーティストが表示されます。ユーザーが最近再生した楽曲や、お気に入りとして登録したチャンネルと楽曲の再生履歴を、AIが学習した結果です。レコメンドを下へスクロールしていくと、テーマ別のプレイリストやアーティストの特集も並んでいます。「おすすめのミュージックビデオ」からは、ユーザーの好みを学習しながらピックアップしたYouTubeの関連動画がチェックできます。
ホットリストは、いま勢いがあって多く再生されている楽曲や、注目アーティストにスポットを当てたメニューです。こちらはユーザーのアプリの使用履歴とは切り離されているため、定期的にチェックすると知らないアーティストや楽曲との出会いを広げられるかもしれません。ホットリストにプッシュされるコンテンツは、国や地域ごとに異なっています。
ライブラリには、端末のストレージにキャッシュして、モバイルデータ通信を使わずに聴けるオフライン再生用として保存した楽曲や、プレイリストへの入り口などが設けられています。
便利なのは、ユーザーの再生履歴をベース、自動でオフライン再生用のミックスプレイリストを作成してくれる機能。オフラインミックスの音楽は24時間ごとに、端末をWi-Fiに接続したときに更新されます。デフォルトでは20曲のプレイリストが作られますが、端末の空きストレージに合わせて、トラック数の増減もユーザーが自由に決められます。オフライン再生用に一時保存された楽曲は、インターネット接続を解除してからでも最大30日間まで再生できます。
プレーヤー画面も直感的に使いやすい
プレーヤー画面のデザインも使いやすさが実感できます。気に入った楽曲があればサムアップのアイコンをタップすると、アーティストのチャンネル登録とともに、ユーザーへの音楽・動画のレコメンデーション結果に反映されます。
楽曲タイトルの隣にある「…」がタテに並ぶアイコンをタップすると、オフライン保存やプレイリストへの追加、共有などのメニューリストが表示されます。
動画コンテンツは画面右上のアイコンから、動画再生と「音楽のみ」の再生が切り替えられます。その隣にあるキャストアイコンをタップすると、(筆者宅の場合)ホームネットワークにつながっているGoogle Home miniとAndroid TVが「キャスト先」のデバイスとして出てきました。わが家で家族と一緒に、YouTube Musicのコンテンツをスピーカーで鳴らして楽しみたいときに便利です。
優秀なAI主体のレコメンデーション
YouTube Musicのレコメンデーションは、国・地域ごとにグーグルの「中の人」がアルゴリズムをチューニングしていますが、基本的にはAIベースの機械学習にもとづいてオススメの楽曲・アーティストをプッシュする仕組みとしています。つまり、Apple MusicのFor Youのように、音楽に詳しい専任エディターが手製のヒューマンレコメンデーションリストを作るような仕組みを、現在は採り入れていません。
機械学習がベースとはいえ、アルゴリズムの精度がとても高いので、自分の好みに合いそうなアーティストや楽曲をうまく引き当ててくれます。YouTube Music内だけでなく、YouTubeの動画検索の履歴も反映されます。特に、楽曲・人名データをフックにした関連アーティスト・作品が見つかる確率とあんばいがとてもよく、使い込むほどに音楽の知見が広がっていくことを実感できると思います。