PCケースのここしばらくのトレンドは、強化ガラスとRGB LEDの採用であるが、2019年のCOMPUTEXでは、その中でも各社が冷却性能を強化する動きが目立っていたのは印象的だった。

PCケースはマシンの外観を大きく印象づけるパーツであり、自由に選べるのは自作PCならではの楽しみである。各社の新製品をここでチェックしておこう。

Cooler Masterは待望のMini-ITX版MasterCase

Cooler Masterは、MasterCaseシリーズ初のMini-ITXモデルとして「H100」を出展していた。フロントとトップはメッシュパネルになっており、フロントにはRGB対応の20cmファンを搭載。Mini-ITXケースながら、冷却性能を重視した設計となっている。第3四半期の発売予定で、価格は8,000円台になりそうとのこと。

  • 「MasterCase H100」は、同社としては久しぶりのMini-ITXケース

  • Mini-ITXケースとしては比較的大きめなので、電源は通常のATXに対応

Thermaltakeは初音ミクのMod PCが注目を集める

Thermaltakeのブースで目立っていたのは、同社の20周年を記念して開発されたフルタワーケース「Level 20」を使ったMod PCの展示。中でも、タイのModderであるIndy Laser氏が製作した初音ミクPCは力作で、来場者の注目を集めていた。

  • Indy Laser氏製作の初音ミクPC。全体をミクカラーに綺麗に塗装している

  • ミク愛が感じられるフィギュア展示。ここは電源スペースだったはずだが……

  • ちょっと見にくいが、ここは透過液晶になっており、動くミクを表示

  • ほかにも多数のMod PCがあった。こんなポケモンをイメージしたものも

Level 20シリーズには、4面に強化ガラスを採用したフルタワー「Level 20 HT」が追加される。マザーボードの配置がかなり変わっており、リア側に置く形となるが、そのおかげで前方と左右から内部が見やすくなっている。さらに、マザーボードのバックパネルは上向きだ。2019年内の発売予定。

  • 「Level 20 HT」。左右も強化ガラスなので、内部が見えやすい

  • インタフェースは全てトップ側にあるので、リアはスッキリしている

面白かったのが、水冷用のオープンフレームケース「Distro Plate」。同社のオープンフレームとしてはすでにCore P3/P5/P7があり、大きなベースプレートにパーツを並べるところは同じだが、Distroのユニークなのは、プレートがリザーバ兼用になっていることだ。かなり完成度は高いように見えたが、参考出品ということで発売は未定。

  • 「Distro Plate」の設置例。一見するとCore P3/P5に似ているが……

  • 裏面を見ると分かりやすい。このように全体がリザーバになっている