Appleは3日(米国時間)にスタートした世界開発者会議(WWDC)の基調講演にて、Apple Watch用OSの最新版となる「watchOS 6」を発表した。新しい文字盤が追加されたほか、Apple Watchから直接App Storeにアクセスしてアプリのダウンロードが行えるといった機能が盛り込まれている。

  • watchOS 6

健康とフィットネスにフォーカスした機能としては、女性の月経周期に関する重要な情報を記録する「Cycle Tracking」アプリ、聴力に好ましくない影響を与える可能性がある環境での騒音レベルを知らせる「Noise」アプリが追加され、iPhoneの「アクティビティ」アプリ内では「Trendタブ」が新たに加わった。

  • 「Cycle Tracking」アプリ

「Cycle Tracking」アプリでは、次の月経の時期や妊娠可能期間を予測できる。毎日の記録機能では、現在の周期、月経血、症状や兆候、排卵予測キットの結果や排卵周期の記録に関するその他の要素といった月経期間に関連する情報を追加できる。Cycle Tracking機能は、iOS 13がインストールされたiPhoneでも利用可能だ。

  • 「Noise」アプリ

「Noise」アプリは、コンサートやスポーツイベントといった、聴力に好ましくない影響を与える可能性がある環境での騒音レベルを測れる。騒音レベルが変化すると、アプリのデシベルメーターもリアルタイムでそれを表示してくれる。世界保健機関(WHO)によると、90デシベルの音を週に4時間聞き続けると、聴力に影響が出始めるとのことで、Noise」アプリは、騒音レベルがその数値に達すると、Apple Watchの画面上に通知するというものだ。

  • 「アクティビティ」アプリに「Trendタブ」が追加

「アクティビティ」アプリの「Trendタブ」では、アクティビティの長期的な動向が表示されるので、進捗状況を把握するのに役立つ。アクティブカロリー、エクササイズの時間、ウォーキングのペースなど、主な測定値の上昇や下降の傾向がひと目でわかるようになっていて、過去90日のアクティビティが、過去365日と比べて下降傾向にある場合、元の傾向に戻れるよう、アクティビティアプリがコーチングを提案してくれる。

  • Apple Watchから直接App Storeにアクセスしてアプリのダウンロードが行える

Apple Watchから直接App Storeにアクセスしてアプリのダウンロードが行える機能では、サードパーティのアプリのインストールや、Siri、音声入力、指書き入力を使用してアプリの検索が行えるほか、Apple Watchの画面でも見やすいようにデザインされたアプリの製品ページも用意される。また、デベロッパは、iOSアプリがなくてもApple Watch上で単独で動作する、Apple Watch専用アプリを作成できるようになる。

  • 新しいダイナミックな文字盤が導入された

新しい文字盤はダイナミックなタイプのものが用意され、お気に入りのアプリ、連絡先や情報へのアクセスを好みに合わせてさらに自由にカスタマイズが行える。対象となる文字盤は「Modular Compact」「Solar」「Gradient」「Numerals」など。

なお、今回追加されるアプリや機能でプライバシーに関わる事項は全て安全に保護される。例えばCycle Trackingの情報が外に漏れたり、「Noise」アプリの利用で現在の場所が特定されたりするといったことはない。すべてのデータはデバイス上で暗号化され、ユーザーがiCloudでのバックアップを選択した場合、データはiCloud内で暗号化される。

そのほかのアップデートは以下の通り。

  • watchOS用の「ボイスメモ」が追加
  • watchOS用の「計算機」が追加
  • Apple Booksで購入したオーディオブックをApple Watchで直接聞ける「オーディオブック」アプリが追加
  • Siriの検索クエリに対するウェブページの結果を、Apple Watch上で表示
  • Apple GymKitが、Octane Fitness、TRUE Fitness、Woodwayの製品に対応
  • デベロッパ向けツールとして、音楽、ラジオ、PodcastをストリーミングするためのオーディオAPI、理学療法や瞑想といったセッションベースのタスクのランタイムを延長するためのAPIを提供