米Appleは6月3日 (現地時間)、新しい「Mac Pro」を発表した。同社が2017年に開発を表明した新世代Mac Proであり、約束通り、プロユーザーのニーズを満たす性能、モジュラーシステムによる優れた内部拡張性を備えたワークステーションになっている。最大構成で28コア/56スレッドのIntel Xeon W (2.5GHz)を搭載可能。メモリも12スロットで最大1.5TBまで搭載できる。グラフィックスに独自のMPX (Mac Pro eXpansion)モジュールを採用。8つの拡張スロット (PCI Express)を備える。価格は5,999ドルから。今秋に発売予定だ。

  • Mac Pro
  • Mac Pro

    内部拡張性に優れる新しい「Mac Pro」、Thunderbolt 2を通じて外部に拡張性を持たせ本体をコンパクトにした現在のMac Proとは正反対のアプローチ

長方体、上部にバーが付いている筐体は、Mid 2012までのMac Proを思い出させる。本体サイズは45×52.9×21.8センチ、重量が18キロと大きいが、Appleらしい一体感のあるデザインだ。

前面と背面のパネルに空いているたくさんのホールは、分子結晶のような立体的な構造になっている。空気が触れる金属部分の面積が増え、エアフローを高めながら効果的に本体を冷やすヒートシンクとして機能する。前面に3つの大きなファンを搭載し、前から後ろへのエアフローでCPUやGPUを冷却する。

  • 前面のホール

    幾何学的で、格子造りのようでもあり、自然の形状のようにも見えるホール

  • Mac Proの冷却システム

    大きな空気の流れで効率的に内部を冷却

本体の上面に円形のハンドルがついていて、90度回転させて引き上げると外側を覆うアルミニウム製の外装が外れて、前後左右の4面すべてがオープンになる。拡張スロットやロジックボードに容易にアクセスでき、メンテナンスもしやすい。底面の4本の脚は、オプションでキャスターに変更することが可能だ。

  • 外装を外して内部にアクセス

    ハンドルを引っ張って外装を外すのは「G4 Cube」を思い出す

プロセッサは、最小構成で3.5GHz Intel Xeon W (8コア/16スレッド)。3.3GHz (12コア/24スレッド)、3.2GHz (16コア/32スレッド)、2.7GHz (24コア/48スレッド)、2.5GHz (28コア/56スレッド)を選択できる。メモリーは最小構成で32GB (8GB DIMM×4本)、最大構成は1.5TB (128GB DIMM×12本、24コアまたは28コアのCPUが必要)。ストレージは、最小構成で256GB SSD、最大構成で4TB SSD (2TBモジュール×2本)。

MPXモジュールは、一般的なビデオカードに利用されるPCI Express x16コネクタに加えて、もう1つのコネクタでThunderboltを統合し、2つのコネクタで500W以上の電力を供給できる。モジュールは大きなヒートシンクを備えたファンレスデザインだ。「Radeon Pro 580X」1つのモジュールの場合、5.6TFLOPSの演算能力になる。「Radeon Pro Vega II」を2つ収めたMPXモジュールの演算能力は28.4TFLOPS。Mac Proは2基のMPXモジュールを搭載でき、「Radeon Pro Vega II」4つの構成では56.8TFLOPSの演算能力を利用できる。

  • MPXモジュール

    最大75WのPCI Express x16コネクタに、最大475Wの供給が可能なPCI Expressコネクタを組み合わせたMPXモジュール

さらに、1秒あたり最大63億ピクセルのデコーディング性能を持つプログラマブルASIC「Afterburner」を用意した。最大3ストリームの8K (30fps)のProRes RAW映像または12ストリームの4K (30fps) ProRes RAW映像を処理できる。

8つのPCI Express 3.0スロットは、4つがダブルワイド・スロット、3つがシングルワイド・スロット。残るハーフ・スロットはApple I/Oカードに用いられている。インターフェイスは、USB 3ポートが2つ、Thunderbolt 3ポートが4つ、10Gb Ethernetポートが2つ、3.5ミリ・オーディオジャック。ワイヤレスはWi-Fi (802.11 a/b/g/n/ac)、Bluetooth 5.0。Apple独自のセキュリティチップ「T2」を搭載、ストレージを暗号化してデータを保護し、セキュアブートを実現する。電源は1,400Wだ。

  • ラックマウント型のMac Pro

    顧客のニーズに応えてラックマウント型も用意する