この数年、高性能なドラム式洗濯機の人気が高まっていますが、日本国内ではまだまだ縦型洗濯機のシェアが圧倒的。ところが、ドラム式のほうが高価格帯の製品が多いためか、多機能な製品がそろっています。例えば、便利な「洗剤の自動投入」機能は、日立を除いたほとんどのメーカーがドラム式洗濯機にのみ搭載しています。

そんななか、パナソニックは人気の洗剤自動投入機能を搭載した縦型洗濯乾燥機(3モデル)を発表しました。洗濯容量10kgの「NA-FW100K」、洗濯容量9kgの「NA-FW90K7」、洗濯容量8kgの「NA-FW80K7」の3機種です。いずれも発売日は6月25日で、価格はオープン。推定市場価格(税別)はNA-FW100Kが23万円前後、NA-FW90K7が22万円前後、NA-FW80K7が21万円前後となっています。

  • 縦型洗濯乾燥機「NA-FW」シリーズ

    シンプルなデザインが印象的。液体洗剤の自動投入機能を搭載した、洗濯乾燥機の新モデル

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    新製品発表会に展示されていたNA-FW80K7(写真左:洗濯容量8kg)とNA-FW90K7(写真右:洗濯容量9kg)

縦型洗濯乾燥機に「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能を搭載

液体洗剤の自動投入機能とは、その名の通り液体洗剤や柔軟剤を最適な量とタイミングで洗濯槽に投入する機能です。洗濯機の自動投入用タンクに洗剤を入れておくことで、洗濯する衣類の量やコースにあわせて最適量を投入するのが特徴です。多くの洗濯機は、衣類量にあわせて洗濯に使用する水の量なども調整します。

洗濯する衣類が少なければ、必要となる洗剤の量も減りますが、洗濯のたびに洗剤量を計算するのもなかなか面倒です。ところが、液体洗剤の自動投入機能ならば、衣類にあわせた洗剤量を自動的に計算し、最適な量を毎回投入することが可能です。

さらに、手動で洗剤を入れる場合にありがちな「投入時に洗剤をこぼしてしまう」といった失敗がなくせるほか、詰め替えパウチ1本分の洗剤や柔軟剤を自動投入用タンクに入れられるため、洗剤や柔軟剤のボトルが必要なく、ボトルを置く場所にも困りません。

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    洗剤・柔軟剤をためる自動投入用タンクは本体のフタを開いた奥にあります。タンク上部が引き出し状になっており、この引き出し部分を開いて洗剤を投入します

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    タンク前面は半透明の窓があるので、タンク内の洗剤の残量がひとめでわかります。液体洗剤は役390mlまで、柔軟剤は役490mlまでタンクに投入可能です

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    ほとんどの洗剤には、「30Lの水に対して**mlの洗剤を投入」といった使用量の目安が書かれています。新モデルのNA-FWでは、自動投入用タンクに入れる洗剤を変更する場合、本体上面の「洗剤」ボタンを長押しして、基準量(水30Lに対する使用量)を設定します。写真は水30Lに対して13mlに設定したところ

パナソニックによると、洗剤の自動投入機能を搭載した洗濯機を購入したユーザーからは、「洗剤を入れすぎる」ことがないので、自動投入機能を導入してから「洗剤を買う頻度が減った」という声も多く聞くといいます。

また、洗剤と柔軟剤を適量・適切なタイミングで自動的に投入してくれるため、洗濯方法が「おまかせコース」なら、洗濯機に衣類を投入、洗濯機の電源を入れて「スタート」ボタンを押すだけと非常にシンプル。普段は洗濯をしない家族に、洗濯を頼みやすいという意見も多いそうです。

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    タンク全体を引き出して、タンクをまるごと洗浄することも可能です。洗剤が通る管がタンクの横に配置されているため、液だれしにくいのも特徴です

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    もちろん手動で洗剤を投入することも可能です。おしゃれ着用洗剤の使用や、いつもと違う香りの柔軟剤を使用する場合などに便利

高い洗浄力もポイント

新製品は洗浄力の高さも特徴のひとつ。この洗浄力はパナソニックならではの技術「泡洗浄」と、新しくなったパルセーター(洗濯槽の底で回転するパーツ)から生まれる「パワフル立体水流」によるものです。

洗剤は泡にすることで界面活性剤が繊維に触れる面積が増え、汚れを落とすパワーがアップ。一般的な洗濯機は、洗濯槽に水と洗剤を投入し、衣類を攪拌(かくはん)する力で泡を作り出します。一方、パナソニックの「泡洗浄」は、水圧であらかじめ洗剤を泡立てておき、洗浄開始とともに泡水を衣類にふりかけ、すばやく泡を衣類全体に浸透させる機能です。

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    左が従来のパルセーターで、右が新モデルのパルセーター。新モデルはパルセーターの突起部分が高くデザインされているのがわかります。この高さの分、水をしっかりつかめるそうです

もうひとつの洗浄力のポイント「パワフル立体水流」は、洗濯槽内をしっかり攪拌して、洗いムラを抑える機能です。新モデルは水をかき混ぜる「パルセーター」の凹凸の高さを従来機よりも高くすることで、しっかりと水をつかんでかき混ぜるようになりました。水流の力で衣類が槽内を上下に移動することで、汚れ落ちのムラが発生しにくくなるそうです。

【動画】「パワフル立体水流」のデモンストレーション。左が前モデル、右が新モデルの縦型洗濯機。同時に黄色いタオルを入れたところ、新モデルは一瞬でタオルが奥に引き込まれるのがわかります。動画20秒の間に黄色いタオルが水流の力で何度も上下に移動しているのが確認できます
※音声が流れます。ご注意ください。

シンプルで美しいガラストップデザイン

今回の新モデルは、機能だけでなくデザインも一新されています。従来の縦型洗濯機は多くが二つ折りのフタを採用していましたが、新モデルはフラットな一枚タイプのフタに。ガラストップのため傷や汚れがつきにくく、高級感がある見た目です。

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    フレーム一体型デザインを採用したガラストップのフタ。シンプルながら独特の光沢で高級感があります

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    指一本の軽い力で開き、指を放すとゆっくりと優しく閉まるダンパー機構を採用しています

このほか、洗浄コースには「パワフル滝すすぎコース」や「化繊60分コース」も搭載されました。パワフル滝すすぎコースは、2倍の水量で3回のためすすぎをする「すすぎ」にこだわった洗濯コース。標準的なおまかせコースと比較すると、洗剤残りが約1/3になるとのこと。

後者の化繊60分コースは、化繊の衣類を約60分で洗濯から乾燥まで仕上げるコース(容量0.6kgまで)。子ども用のナイロン製給食エプロンやジャージなど「朝に気が付いて、すぐ必要になる服」をすばやく洗濯するのに最適だといいます。

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    標準的なおまかせコースよりも「すすぎ」回数を増やすことで洗剤残りなどを減らす「パワフル滝すすぎコース」。肌が敏感な家族がいる家庭などにおすすめ

掃除のプロによる洗濯方法と洗濯機購入のアドバイスも

新モデルのプレス向けセミナーでは、洗濯のプロであるライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉氏も登壇し、今日からできる洗濯のアドバイスをしてくれました。大貫氏によると、洗濯のポイントは以下の3つ。

  • 洗浄洗剤・柔軟剤は適量使うこと
  • 洗濯機に入れる衣類はつめこみすぎないこと
  • 洗濯ネットを適切に使うこと
  • ライオン・大貫和泉氏

    ライオン株式会社のお洗濯マイスター、大貫和泉氏

とくに注目したいのが最後の「洗濯ネットを適切に使うこと」です。洗濯ネットは、洗濯によって衣類が傷むことを抑える役割がありますが、使い方を間違えるとうまく機能しません。よくやりがちな間違いが「適当に洗濯ネットに衣類を入れる」「ネットにたたまないで衣類を入れる」「一枚のネットに複数の衣類を入れる」ことだそう。大貫さんによると、洗濯ネットに入れた衣類は「布同士が重なる」ほど汚れ落ちが悪くなります。

上手な洗濯ネットの使い方は以下の3つ。

・衣類に合った大きさ ・ネット1枚につき衣類1枚 ・衣類はたたんでネットに入れる

選択ネットに服をたくさん入れたり、ぐちゃぐちゃに入れたりすると「布同士が重なる部分」が増えて汚れが落ちにくいエリアができるためです。また、セミナーでは「ワイシャツに最適な洗濯ネットの大きさは?」といった問題も出されました。

  • ライオン・大貫和泉氏

    セミナーで出題された問題。写真にある3サイズの選択ネットから、ワイシャツに最適なネットを選びます。「布が重ならない」ほうがよいなら一番大きなネットが正解にも思えますが……?

  • ライオン・大貫和泉氏

    正解は真ん中の「ネット中」サイズ。ネットが大きすぎると洗濯中にネット内で衣類が偏り、衣類にシワができやすくなるうえ、シワが重なった部分の汚れが落ちにくくなるそう。写真はネット中(写真左)とネット大(写真右)を手にする大貫氏

大貫氏とパナソニックの洗濯機開発者によるトークセッションもありました。ここでは、洗濯に関するさまざまな質問に回答。

気になる「ドラム式と縦型洗濯機は、どっちが洗浄力が高いの?」という質問には「現在はどちらも洗浄力はほぼですが、ドラム式洗濯機はもみ洗い・押し洗い・たたき洗いをするので皮脂汚れに強い傾向にあり、縦型洗濯機はたっぷりの水で擦り洗いをするので泥洗いにおすすめ」だそうです。

ドラム式洗濯機が得意とするのは「衣類乾燥」の機能。一方、設置サイズは縦型洗濯機のほうが小さな面積で済みます。衣類乾燥機能を頻繁に使うならヒートポンプ搭載型のドラム式、乾燥機能はあまり使わず、設置スペースを気にする場合は縦型洗濯機がおススメです。