KDDIのスマホ決済「au PAY」が4月9日よりスタートします。バーコードやQRコードを使った決済サービスで、貯まっているau WALLETポイントを1ポイント1円以上の価値で利用できたり、チャージした金額を携帯電話の利用料金と一緒に月末に支払ったりできる、利便性の高いサービスを目指します。

  • スマホ決済「au PAY」が4月9日よりスタート

脱・埋蔵ポイント!

本人も気が付かないうちに携帯キャリアのポイントがごっそり貯まっていた、なんてことはありませんか。そんな方に朗報です。au PAYは、コンビニ、外食チェーン、ドラッグストア、家電量販店など、さまざまなショップでau WALLETポイントを活用できるサービスになっています。

使い方もシンプルで、au WALLETアプリにバーコードやQRコードを表示させ、店頭のPOSレジなどで読み取ってもらうだけ。対応ショップは、2019年度早々に100万店舗を突破する予定です。

  • au PAYの利用イメージ。(アップデート後の)au WALLETアプリでは、トップ画面からワンタップで決済可能な状態になります

みなさんが最近、ポイント残高を確認したのはいつ頃でしょう? KDDIの発表によれば、いまau WALLETポイントを1,000ポイント以上貯めている人は1,400万人超、10,000ポイント以上でも約100万人はいるそうです。何かのタイミングでポイントが貯まったけど、使わずにそのままという方もいるかもしれません。

同社が掲げるキーワードは「脱・埋蔵ポイント」。取締役執行役員専務の東海林崇氏は「全ユーザーのau WALLETチャージ残高とau WALLETポイント残高を合計すると1,000億円超に相当します。これを日々の生活の中で消費していただくことで、au WALLETポイントをユーザーに一番身近なおサイフにしていきます」と説明します。

  • 取締役執行役員専務の東海林崇氏は「脱・埋蔵ポイントで、au WALLETポイントをユーザーに一番身近なおサイフに」と説明

ポイントをより頻繁に使ってもらうための施策も検討中です。そのひとつが、価値レートの変更。1,000ポイントを1,100円相当に増額するキャンペーンや、現在1,000円で提供しているデータ容量1GBの追加分を1,000ポイント以下で提供する、といったことが考えられています。

なお、au IDをマルチキャリア化することで、今後はauユーザーでなくともau WALLETポイントを利用できるようになる見込み。このほか楽天ペイ、メルペイ、食べログと連携して、ポイントが使えるショップを拡大する予定です。

  • コンビニ、外食チェーン、ドラッグストアなどのほか、地域密着型のスーパーや商店街でもau PAYが使えるようになりそうです(写真は4月現在の加盟店一覧)

チャージ方法についても、「セブン銀行」で現金チャージする、「auかんたん決済」で翌月の携帯料金と合算して支払う、「au WALLETスマートローン」でスマホから簡単にローンを組む(1万円から50万円まで借入可能)の3つの選択肢が追加されました。

  • チャージ方法の選択肢も増えました

さらにはポイントで気軽に投資体験できる「au WALLETポイント運用」が4月9日よりスタート。これはKDDIアセットマネジメント社が設定する投資会社と連動したサービスで、面倒な口座開設手続きなしで、au WALLETアプリを使って100ポイントからの運用が可能になります。

ポイント事業を金融サービスと結び付けるあたりは、業界・業種の垣根を超えて展開しているKDDIグループならではの強みと言えそうです。

  • au WALLETポイント運用の利用イメージ

  • ポイントをチャージするだけで10%増額される、au PAY利用で三太郎の日なら合計最大26.5%還元される、などの「au WALLETポイント つかえる!たまる!キャンペーン」も実施

「なんとかPay」の中でも後発のau PAYに勝算は?

質疑応答には、ライフデザイン事業本部の中井武志氏、コンシューマ事業本部の松田浩路氏が対応しました。

今後はコード決済(QRコード・バーコード)に注力していくのか、という質問に中井氏は「これまでは、物理カード決済と非接触決済でキャッシュレスに対応してきました。そこに、新たにコード決済という選択肢が増えたということです」と説明。

どの方法に注力ということではなく、3つの決済手段で展開することで消費者も使いやすく、au WALLETポイントに対応するショップも増やしていきやすくなる、という考えのようです。

  • 2014年に物理カード決済に、2016年に非接触決済に対応。新たにコード決済に対応します

au PAY開始の狙いについて、au契約者のロイヤリティを高めるためか、あるいは金融事業で利益を出すことを考えているのか、という質問には「まずはauのお客様先行でサービスを開始して、便利に使ってもらうことを考えています」としつつも、「(KDDIでは)スマホの利用をユーザーの生活の中心にすえ、それを様々なサービスの利用につなげていく”スマホセントリック”の考え方をしています。au PAYも、事業観点でスタートしたというより日本のキャッシュレスを推進し、利用を促していく側面で始めました」と回答しています。

  • ライフデザイン事業本部の中井武志氏

また松田氏は「KDDIでは通信とライフデザインの融合を掲げており、auのサービスを日常的に使うことで、auを好きになってもらいたい。auのサービスを月3回とか、能動的に使ってもらうことで、結果として契約し続けていただける率も高まると考えています」と補足します。

利用者とのエンゲージメントを高めるため、今後は『いま何ポイント貯まっていますよ』と埋蔵ポイントを積極的に通知することもしていきたい、と話していました。

au PAYのサービス開始がこの時期になった理由について中井氏は「後発にはなりましたが、おかげで世間のキャッシュレス決済の認知度も高まってきました。au PAYではアプリを落とす、チャージする、といった利用を開始するまでを簡略化しています。どこで使えるか、についてはパートナーシップを活かしてオープンに進めますし、自社の営業などアセットも活用していきます」と説明。勝算を聞かれると「充分、戦っていけると考えています」と笑顔で回答しました。

ポイントが高かった出来事は?

このあと、舞台にはイメージキャラクターでテレビCMにも出演している桐谷健太さん、菅田将暉さんが登壇。au WALLETポイントにかけて「最近、ポイントが高かった出来事」について聞かれた菅田さんは「ドラマの中で教師役を演じたんですが、実際に教壇に立たれている先生から感動したというお手紙をもらいました」とエピソードを明かしていました。

  • 新テレビCMの衣装で登場した、桐谷健太さんと菅田将暉さん