iPhoneなどを使って、リアル店舗で手軽に支払えるスマホ決済サービスのApple Pay。「ゼロからはじめるApple Pay」は、iPhoneユーザーにアンケートし、その回答をひもときながら、Apple Payのメリットや使い方などを紹介する連載です。

  • Apple PayでできないVisaカードの登録はSuicaアプリで!

第4回では、Apple Payに、いま使っているプラスチックカードのSuicaカードを登録する方法を紹介しました。特に難しい操作は必要なく、iPhoneのWalletアプリにSuicaカードの番号と生年月日を入れ、そのSuicaカードの上にiPhoneを置くだけ(残高などが登録されます)。登録したSuicaを「エクスプレスカード」に設定しておけば、これまでのSuicaカードのように、ピッとタッチするだけで改札を通過することができます。

実際、驚くほど快適です。いままでiPhoneを使っていながらSuicaを登録していなかった筆者の友達も、「なぜ今まで使わなかったんだろう」と、その便利さに感動していました。

とはいえ、今まで使っていたSuicaカードとまったく同じというわけではありません。Apple Payを使う上で、不便だと感じている点をユーザーに質問した回答にも、Suicaに関する以下のような不満がありました。

調査時期: 2018年10月12日~2018年10月18日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: iPhoneを日常的に使っていると回答した805名(Apple Payの不満点に関する質問は、このうちApple Payを使っていると回答した221名が対象)
調査方法: インターネットログイン式アンケート
  • Apple Payを使っている人が答えたApple Payの不満点(複数回答可)。ダントツ1位は「バッテリーがなくなると使えない」ですが、交通系ICカードに関連した不満も中堅を固めています

その不便な点とは、この3つ。

  • Suica以外の電子マネーが使えない 18.6%
  • オートチャージできない(ビューカード除く) 16.3%
  • VisaブランドのカードでSuicaにチャージできない(「Suica」アプリ除く) 12.7%

これらの不満について、それぞれ説明していきましょう。

Suicaは最強の交通系ICカード!?

「Suica以外の電子マネーが使えない」点については、まずSuica以外の交通系ICカード・電子マネーはモバイル対応していないので、そもそも使えません。JR西日本のICOCAや首都圏のPASMO、JR北海道のKitaca、JR九州のSUGOCAなど、全国にはたくさんの交通系IC・電子マネーがありますが、いずれもモバイル端末で利用することができないのです。

モバイル対応している電子マネーにはnanacoやWAON、楽天Edyのほか、後払いの電子マネーのiDやQUICPayがあります。iDとQUICPayがApple Payで利用できることは、第3回で紹介しました。

ではnanaco、WAON、楽天EdyがApple Payで利用できるようになるかどうか? という疑問が出てきますが、これは正直、Appleの考え次第。Suicaは首都圏を中心に利用者が多いサービスなので機能が追加されましたが、筆者はそのほかのサービスがApple Payに組み込まれるのは難しいのではないかと思っています。

続く「オートチャージできない(ビューカード除く)」については、元々のモバイルSuicaがJR東日本グループのクレジットカード「ビューカード」でしか、オートチャージできない仕組みになっています。そして残る「VisaブランドのカードでSuicaにチャージできない(「Suica」アプリ除く)」については、JR東日本が提供する「Suica」アプリを利用することで解消できます。

ちなみに47.1%の人が不便だと回答している「バッテリーがなくなると使えない」も、気になる人が多いと思うので補足しておきましょう。iPhoneが電源オフの状態では、基本、Apple Payは使えません。ただ、バッテリーが切れた直後であれば、スマホ内にわずかな電源が残っていることがあります。Suicaは微弱の電流があれば利用できるので、バッテリー切れ直後なら使えるケースも。ただ、ドキドキしながら改札を通ることになるので、iPhoneは常時、バッテリー切れしないように保ちたいものです。

SuicaアプリでApple Payがもっと便利に!

プラスチックカードのSuicaを利用しているなら、そのカードを読み込むことでApple PayでSuicaを利用できます。

でも仕事とプライベートでSuicaを使い分けたい、「ビューカード」からオートチャージしたいといった、もう一歩進んだ使い方をしたい場合、JR東日本が提供する「Suica」アプリを利用すると、その希望が叶います。

「Suica」アプリは、JR東日本の様々なSuicaサービスを、Apple Payで利用するためのアプリ。Apple Payユーザーであれば入会金や年会費などは不要で利用できます。まずは「Suica」アプリをApp Storeからインストールして、新しいSuicaを発行してみてください。なお、Suicaの発行にデポジットはいりません。