平成31年4月1日、臨時閣議で新元号を「令和」と定める政令が決定されました。政令は天皇陛下の署名を受けたのちに公布され、5月1日に施行されます。平成も残すところ1カ月を切ったわけで、コンピュータシステム/ソフトウェアの対応が急がれます。
iPhoneでは、システム(iOS)の段階から元号に対応しています。iOSには日付/カレンダー関連のフレームワーク(アプリから呼び出す汎用的な機能を集めたプログラム集/ライブラリ)として「NSCalendar」が用意され、大化以降すべての元号がサポートされています。
その元号は、『設定』→「一般」→「言語と地域」→「暦法」の順に画面を開き和暦を選択すれば、「カレンダー」や「メモ」などのアプリで日付表示に利用できます。iOS内部ではUNIX時間(協定世界時とされる1970年1月1日午前0時0分0秒からの経過秒数)を基準にしているため、西暦(グレゴリオ暦)から変換されているわけではありません。
ただし、和暦/元号のデータはフレームワーク内部に格納されているため、システムアップデートを実施しないことには新元号の情報が反映されません。4月1日現在、Appleからの発表はありませんが、政令が施行される5月1日までにアップデートが配布されれば、新元号への移行はスムーズに進むことでしょう。
運用中のシステムにおける元号の切り替えは、iOSおよび兄弟関係にあるmacOSにとっては初の出来事になります。アップデートを待つ以外、我々エンドユーザにできることはありませんが、もしアップデートの配布が年単位で遅れるとしたら……西暦から2018を引き算することで「令和○○年」を求めるしかありません。