LSPX-S2、いざセットアップ(簡単)

LSPX-S2で音楽を聴くためにセットアップをしましょう。電源を入れてから最初に行うのはWi-Fi設定。これはとても簡単でした。あらかじめ「Music Center」アプリをスマホにインストールしてから、スピーカーの電源を立ち上げるとアプリが自動的に設定方法をナビゲートしてくれます。Bluetooth接続はもっと簡単。NFC機能を搭載するAndroidスマホならワンタッチペアリングが使えます。

  • LSPX-S2

    底面にNFCのタグがあります

  • LSPX-S2

    コンパニオンアプリ「Music Center」で本体の設定、リスニングソースの選択などを行います

さて、Spotifyのアカウントはお持ちでしょうか。Spotifyのプレミアム会員のユーザーであれば、LSPX-S2による音楽ライフはとても充実します。LSPX-S2はSpotifyのストリーミングを直接受けて再生できるSpotify Connectの機能に対応しています。だからSpotifyアプリを入れたスマホがLSPX-S2のリモコン代わりになります。

スマホとLSPX-S2をBluetoothで接続してSpotifyを再生する場合は、スマホでSpotifyアプリを終了すると、音楽のストリーミングがストップします。Spotify Connectなら、例えば好きな音楽をSpotifyで聴きながら、スマホでゲームを遊ぶなんてこともできます。

  • LSPX-S2

    Spotify Connectに対応。「プッシュ&プレイ」機能が便利です

Spotify Connectが使える利点としてはもう一つ「プッシュ&プレイ」機能が挙げられます。LSPX-S2の電源を入れて、底部側面にある音符のアイコンボタンを押すと、Spotifyのお気に入りの楽曲や最後に再生した楽曲などにすばやくアクセスできます。アプリによる曲指定さえ不要です。

  • LSPX-S2

    低音をさらに豊かにするベースブースターも搭載されています

今回は試していませんが、LSPX-S2はWi-Fi接続に対応したことで、最大10台のLSPX-S2で同時に音楽を鳴らせます(それぞれ同じWi-Fiルーターに接続)。Music Centerアプリからグループを設定すると、ワイヤレスマルチルーム再生環境がセットアップできます。

とはいえ、個人でいきなり複数のLSPX-S2を買いそろえることは稀だと思いますので、もし将来的に買い増しをしたときには、この機能を思い出してください。またはカフェなどを経営していて、BGM再生用のスピーカーとしてLSPX-S2の導入を考えているなら、2台以上のまとめ買いが有効です。

LSPX-S2の音、グラスサウンドスピーカーだからこそ味わえる世界

それではLSPX-S2の音を聴いてみましょう。最初にハイレゾを聴いてみました。楽曲はアリス=紗良・オットのアルバム「ナイトフォール」から『ベルガマスク組曲:第3曲:月の光』です。

  • LSPX-S2

    部屋の灯りを消して贅沢なリスニングタイムを満喫!

しっかりと身が詰まった濃厚なサウンドです。LSPX-S1よりも音の芯が太くなったように感じます。体幹が強靱になったという表現もアリでしょうか。ピアノの定位がとても鮮明でブレません。それでいて、LSPX-S1譲りの360度方向に広がる余韻の豊かさは健在。わが家のリビングがコンサートホールに早変わりしました。

LSPX-S1に比べると、特に切れ味と弾力の両方を兼ね備えた低音の迫力がLSPX-S2に加わったと思います。比べて聴くと、LSPX-S1はクリアで広がりの豊かな中高域が大きな持ち味でした。スピーカーの近辺にボーカルと楽器の音がふわっと浮遊しているような、LSPX-S1にしか出せない音の魅力があります。

対して新しいLSPX-S2のサウンドはもっと重心が低く、地に足がついた印象。LSPX-S1のサウンドは良い意味で「変わっている」のですが、LSPX-S2はもっと各帯域のつながりが良くなって、どんな楽曲も安心して楽しめます。

LSPX-S2とLSPX-S1は、それぞれに真価を引き出すセッティングがあると感じました。LSPX-S1は、自分から2~3メートルほど離れた場所に置いて聴くと、高さ方向への豊かな広がりと粒立ちの濃厚な音が耳の奥に染み込んでくるような独特の手応えがあります。対するLSPX-S2は、ダイニングテーブルの上に置いて、1m前後の近い距離感で聴くと音のうまみがにじみ出てきます。タテ横方向に広がる音場のサイズも最適に収まるように思いました。

  • LSPX-S2

    ダイニングテーブルの上に置いて1mぐらいの距離感で聴くと、LSPX-S2の真価が最も発揮されるでしょう

LSPX-S2も、女性ボーカルのバラード系の楽曲とものすごく相性が良いスピーカーでした。声のニュアンスの変化をとてもリッチに、ていねいに再現できるし、アコースティック楽器の温かみも抜群。

Spotifyで見つかる楽曲の中では、ノラ・ジョーンズのアルバム「Come Away With Me」から『The Nearness of You』、土岐麻子のアルバム「Bittersweet」から『きみだった』、北欧のボーカリスト、Johanna Gruessnerが歌う、トーベ・ヤンソンが作詞したオリジナル・ムーミン・ソング集「Moomin Voices」などが特に絶品です。ぜひ聴いてみてください。

最初は変わったデザインのインパクトが強いグラスサウンドスピーカーですが、音を体験すればきっとこのスピーカーだからこそ味わえる世界があることに誰もがすぐに気がつくはずです。筆者もわが家でひと足早く楽しめて幸せでした。