ソニーの有機ガラス管を使った“グラスサウンドスピーカー”「LSPX-S2」が発売となりました。今回は、2016年に発売されたグラスサウンドスピーカーの先輩にあたる「LSPX-S1」もそろえて、筆者の自宅でふたつのモデルを体験してみました。
グラスサウンドスピーカーは写真の通り、かなりユニークなデザインのワイヤレスオーディオ製品です。筒状の有機ガラス管を振動させて音を鳴らすという、ソニー独自の「アドバンスド バーティカル ドライブ」の技術に注目です。
その技術の成り立ちと仕組み、新製品LSPX-S2の数々の特徴については、別記事『ガラス管からイイ音でるぞ! ソニー「グラスサウンドスピーカー」』でも詳しく紹介していますが、とにかく「コイツはただのランプ付きスピーカーじゃないんだぞ」ということを改めて強調しておきたいと思います。
LSPX-S1とLSPX-S2、新旧モデルの違いは?
リスニングレポートに移る前に、先輩のLSPX-S1と比較したLSPX-S2の新機能を復習しておきましょう。
ワイヤレススピーカーとして最も大きく進化した点は、Wi-Fi接続機能が追加されたことです。LSPX-S1はBluetoothと3.5mmのアナログ音声入力にのみ対応していました。新製品のLSPX-S2はWi-Fi接続ができるので、ソニーのオリジナルアプリである「Music Center」をスマホにインストールして、ハイレゾを含む音源をWi-Fi経由でLSPX-S2に飛ばして、原音に忠実なサウンドを聴いて楽しむなんてこともできます。
スピーカー本体に内蔵するデジタルアンプは、ソニー独自のハイレゾ対応「S-Master HX」です。CD音源やBluetoothで伝送する音楽を、ハイレゾ相当の音質に変換する「DSEE HX」も完備です。
LSPX-S2では音の透明感と、全帯域の音のつながりをなめらかにするため、内部の回路やユニットの設計に大きくメスを入れています。低音再生については特に厚みと明瞭度を高めているそうですが、後ほどLSPX-S1と聴き比べながら実力のほどを確かめたいと思います。
2つのスピーカーを並べてみると、新しいLSPX-S2のサイズがだいぶ小さくなったことがよくわかります。ただLSPX-S1も、十分に省スペース設置ができるワイヤレススピーカーです。バッテリーを内蔵しているので、電源ケーブルを外して家の中の好きな場所に持ち運んで音楽をたのしむ使い方に最適です。LSPX-S2では、充電用にmicroUSBケーブルが使えるようになりました。
ガラス管とLEDライト、そして光のデザインも、ふたつのグラスサウンドスピーカーで異なる味わいがあります。LSPX-S1はゆったりとしたサイズのガラス管の中に、フィラメントのような形のLEDライトを内蔵しています。明るさは専用アプリの設定から32段階で変えられます。部屋を真っ暗にして、LSPX-S1だけ点灯させた状態でも十分に文庫本が読める明るさです。
LSPX-S2のガラス管とLEDの組み合わせは、キャンドルスタンドのような雰囲気です。LSPX-S1と同じように、明るさをアプリから32段階で切り替えられるのですが、その強弱がふわふわっと揺らぐ「キャンドルライトモード」が新しく搭載されました。ゆらめきの強弱は2段階から変えられます。
その光は昼間の室内、明るい部屋でライトを照らしても十分に存在感を放つ強さです。そのためか、反対にまぶしくなりすぎないように、LEDライトを特殊な形のレンズリフレクターで囲って光を散らす工夫も盛り込みました。暗いところで点灯させると、ふんわりと柔らかな光がテーブルなど周囲を照らす様子がよくわかります。
新しいLSPX-S2と従来モデルのLSPX-S1、デザインについては好みが分かれると思います。筆者は一段とコンパクトになったLSPX-S2が可愛らしくて好きですが、家人はレトロな雰囲気が漂うLSPX-S1に惹かれたそうです。実用面で考えれば、ダイニングテーブルの上などに置くならLSPX-S2のサイズ感がフィットするでしょう。欲をいえば2台とも欲しいですね。幸いLSPX-S2の発売後も、LSPX-S1の販売は継続されるそうなので。