緑色の下地に白い吹き出しのアイコンが印象的な「メッセージ」は、SMS(ショートメッセージ)やMMSのやり取りに利用するiOSに標準装備のアプリです。やり取りが向かい合う吹き出しの形で表示されるため、チャット感覚で使えるところが特長です。

この「メッセージ」、人によって利用頻度の差が激しいアプリでもあります。仕事のやり取りには「メール」を利用している、LINEなどSNS系アプリのトーク機能があるから使ったことがない、という意見に同意する人も多いのではないでしょうか。しかし、「メッセージ」には他のアプリには代えがたい機能があります。

その機能とは、セキュリティコード(認証コード/ログインコード)を受信する役割です。認証コードとは、サイトにログインするときなどに発行される数値のことで、SMSで送信されます。SMSは携帯電話番号宛てに送信できるため、本人以外の人物に情報を盗み取られる可能性が低く、2段階認証に使うセキュリティコードの送信先に適しているのです。

2段階認証に対応するインターネットサービスは増加しており、LINEやFacebook、Apple IDなどで採用されています。これまで利用したことがない端末/アプリでサービスを使おうとすると、登録した携帯電話番号宛てにセキュリティコードが送信され、その数値を入力しないことにはサービスの利用が許可されません。ということは、「メッセージ」アプリなしには2段階認証を使うサービスは利用できない(もしくはSMSを受信できる他の携帯端末に頼らざるをえない)ことになります。

iOSでは、標準装備アプリの多くは削除できますが(いつでもApp Storeから再ダウンロード可能)、「メッセージ」は削除できません。この点を見ても、iPhoneにおける「メッセージ」の重要性がわかるはずです。

  • セキュリティコード(認証コード/ログインコード)を受信するために「メッセージ」アプリは削除できないようになっています