ブース横にあるイベントスペースではセミナーも開催。3月2日と3日の午前中には、実際にPCを触りながらRAW現像を学べるハンズオンセミナーが行われました。
市川ソフトラボラトリーの西巻敏氏は、RAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio Pro9」を使ったRAW現像の基本を紹介。まずは露出(明るさ)やホワイトバランス(色合い)、調子(明暗のメリハリ)といった、画面全体への調整方法を説明。あらかじめ設定されているプリセットが豊富で、シーンにあったものを選べます。
続いて「SILKYPIX Developer Studio Pro9」の新機能を紹介。「ハイライト/シャドー」スライダーでは、写真の明るい部分と暗い部分の調整が可能で、露出補正が難しい写真で効果を発揮します。
「周辺ぼかし/シャープ」機能は、指定した範囲の周辺に対してぼかしやシャープをかけられます。周辺ぼかし機能では、画面の中心だけでなく、主体となる範囲を自分で選択できます。
「部分補正ツール」では機能拡張が行われました。補正ツールの補正領域の選択に「曲線/多角形領域選択」が加わり、複雑な領域選択が可能となります。例えば、顔だけを明るくしたといった場合でもこれまでよりも細かい範囲を指定できます。
また、写真家の諏訪光二氏はAdobe Photoshop CCのCamera Rawを使ったRAW現像テクニックを紹介しました。色空間の調整のほか、画像の調整に入る前にRAWファイルを「スマートオブジェクト」で開く設定にすることを推奨します。
これによって、データを劣化させること無く編集し直せます。スマートオブジェクトを利用すると、ファイルサイズが大きくなるため、処理能力が高いPCが有効とのことです。
ここからレンズ補正や基本補正を行っていきますが、諏訪氏が強調していたのは「ビビット」のような派手なプロファイルを選んだり、最初から色味を選んだりしないということ。最初はきれいに見えるが、レタッチしていくと画質が荒れてしまうことがあるといいます。
まず調節すべきは明るさや階調で、画面全体の明るさを決めてから、ハイライトやシャドーを調整、さらに彩度を変えていきます。その際も青や緑といった画が中心ならば「自然な彩度」を利用するとよいそうです。
諏訪氏は「最近のカメラは非常に性能がいいので、通常であればこれで十分」といいます。しなくてもよい操作をして画質を落としてしまうケースが多いとのこと。またカメラの高解像度化が進み、そのままA4サイズくらいにプリントすると画がシャープすぎることがあるようです。その場合はシャーネスの度合いを下げることも検討した方がいいとアドバイスしていました。
CP+のメインステージでは、マウスコンピューターの森裕貴氏が、写真家の秦達夫氏とともに登壇し、マウスコンピューターや新製品の紹介、秦氏の活動についてトークセッションを行いました。