7nm Vegaに関してもCPUと同様にAMDイベントのDeep Diveで紹介した通りであり、特に補足情報などもない。

  • Photo02:引っ越し直後、天袋でドヤ顔するまめっち先生。引っ張り出すのが面倒なので天袋は封印

ただ7nm Vegaは、2018年中に出荷開始という話だったが、現時点でも日本はもとよりUS AmazonとかNewegg.comなどでも扱っていない(予約すら無い)あたり、まずOEM向けということなのかもしれない。

これに続くNaviなのだが、こちらは引き続き情報がない。何しろ公表されているのはこのスライド(Photo03)のみである。

  • Photo03:これは2018年1月付のAMDの公式ロードマップから。同様のスライドは何種類か2018年中に登場したが、情報としては変わらず

ただ、ここではっきりと次の2点が明示されている。

  • Vega 7nmとNaviは、どちらもTSMCのN7で製造される。
  • N7+(EUV)を利用する製品は2020年のNext-Genになる

現状のGCNは、HPC向けに拡張が進んでいる感じもあり、ことGaming向けという観点では無駄が多い。ここでHPC向けにVega、Gaming向けにNaviという形でアーキテクチャを分けられれば、Gamingへの思い切った最適化も不可能ではないとは思う。まぁこれは筆者の願望も含まれているので、正直言ってどこまで最適化が施される形になるのかは分からない。

問題は登場時期である。いくらAMDといっても、複数種類の7nmのダイを同時に設計するのは、エンジニアの陣容とコストの両面から厳しい。現実問題として設計パイプラインとしては図1のような感じになるのではないか、と筆者は想像している。

Naviの論理設計が終わったのは、恐らく2018年に入ってからである。そこから物理設計を始めるわけだが、最初は少ない陣容でスタートするだろう。ただDeepDiveでも説明したように、7nm Vegaは最適化よりも短い時間での開発を狙った節がある。

物理実装は2018年3月くらいで終わり、そこからαシリコンの試作を行った結果が、COMPUTEXで示されたサンプルである。この時点で物理実装チームはもう大仕事は終わっている。さらに並行して作業を行っていたZen 2の物理実装チームも峠は越えている。

これらのチームがそのままNaviの物理実装に入ったとすれば、2018年中にTape outしていても不思議ではない。そこからαシリコンの試作に入るとすれば、最初の動作サンプルは3月とか4月あたりにできてるはずで、運が良ければGDC 2019とかでPreviewが行われても不思議ではない。

βシリコンの生産には、そこからまた1四半期ほどかかるから、量産に近いサンプルのデモが行われるのはCOMPUTEX前後、出荷時期は8月とかだろうか? 8月のGamesconあたりは良いタイミングであろう。

あくまで推定ベースの話ではあるが、そんなわけで2019年後半には何かしらの期待が持てそうというのが筆者の予測である。