米Microsoftは11月13日 (現地時間)、一時停止していた「Windows 10 October 2018 Update」の配信を再開した。
同社は10月2日 (同)に2018年秋の大型機能アップデートになるOctober 2018 Updateの提供を開始したが、アップデート時に一部のデータが消失する問題が明らかになり、Windows Server 2019やIoTを含む全チャネルで配信を停止していた。データ消失はKnown Folder Redirection (KFR)の使用に関連したもので、Windows Insiderプログラムにおいて問題を修正したビルドのテストを重ね、同プログラム参加者の利用結果やフィードバック、診断データを分析し、データ消失に関する全ての問題が解決したと判断して配信再開に踏み切った。
Windows Updateの自動アップデートを通じたOctober 2018 Updateのロールアウトは、安定してアップデートできるデバイスから順次提供を拡大していく。すぐにアップデートしたい場合は「更新プログラムのチェック」からアップデートを要求できる。ただし、デバイスのドライバやソフトウェアとの互換性に問題がある場合は、それらが解決するまでアップデートは実行されない。Windows 10更新アシスタントを用いて手動でアップデートすることも可能だが、Microsoftは安定してアップデートできるWindows Updateの利用を推奨している。
「Windows Server 2019」の提供も再開しており、11月13日が半期チャネル (SAC)におけるWindows 10バージョン1809、Windows Server 2019の公開日になる。
October 2018 Updateの配信中断はWindows 10の信頼性に関する議論を広げた。そうした声に対して、Microsoftは13日 (同)に公式ブログで公開した「Windows 10 Quality approach for a complex ecosystem」で、「Windows as a Service.」におけるWindows 10の品質や信頼性を向上させる取り組み及び成果について説明した。
Windows 10のアクティブデバイスは7億台を超え、ハードウェアとドライバの組み合わせは約1600万、アプリケーションは3500万以上という巨大なプラットフォームに成長している。アップデート提供の複雑さが増しているが、継続的なサービスとして最新のWindowsへアップデートを重ねていくWindows as a Serviceによって、ユーザーの満足度が継続的に向上しており、 ネット・プロモーター・スコア (顧客推奨度、顧客ロイヤルティの指標)は「Windows 10 April 2018 Update」で過去最高を記録した。
しかしながら、安定性の向上を求める声が強まっているのも事実。Microsoftウォッチャーとして知られるMary Jo Foley氏らは、年2回は大型機能アップデートのサイクルとして短く、機能アップデートを年1回にとどめ、あとは安定性を向上させるアップデートにするべきと提案している。そうした声に対して、MicrosoftのMichael Fortin氏 (Windows担当CVP)は「データはポジティブな変化を示しているが、問題に不満を覚えるユーザーの声も届いており、さらなる対応を約束する」とした。具体策については、今後Windows公式ブログで公表していくという。