複数のメンバーが同時に通話できる「グループ通話」をサポートするアプリは珍しくありません。SNS系でいえば「LINE」や「Facebook Messenger」などのアプリがグループ通話機能を標準装備し、無償のサービスとして提供しています。

グループ通話はアプリ独自機能であり、通信仕様(プロトコル)が異なるため互換性/相互接続性はありません。LINEでグループ通話したければLINEの、Facebook Messengerでグループ通話したければFacebookのアカウントおよびアプリが必要となります。

各社各様なグループ通話のプロトコルですが、大半のアプリではクライアント/サーバ方式でサービスを提供していると推定されます。数十人規模のユーザで通話する場合、すべてのユーザが相互につながる方式(メッシュ方式)ではユーザ数に比例して通信トラフィックが増加するため、スマートフォンのようにデータ通信量を抑える必要がある端末では不利なためです。すべての端末が共通のサーバーにアクセスし、そこで複数の音声ストリームを1本化して端末に送信すれば(サーバ/クライアント方式)、通信トラフィックは必要最小限に抑えられます。

グループ通話機能を提供するアプリベンダーは、音声に映像をくわえた「グループビデオ通話」にも力を入れています。たとえばLINEでは、一度に最大4名のメンバーとビデオ通話を行うことができます。Facebook Messengerも同様に、最大6名のグループビデオ通話をサポートしています。

これまで1対1のビデオ通話しかサポートしていなかったAppleの「FaceTime」も、iOS 12.1でグループビデオ通話が可能になりました。後発でのサポートですが、一度に最大32名のメンバーとビデオ通話可能という強力なものです。対応端末はiPhone/iPad/Macに限定されますが(10月現在AndroidやWindowsは非サポート)、これを機にスマートフォンを利用したグループビデオ通話がさらに普及すると予想されます。

  • iOS 12.1から「FaceTime」では最大32名のグループビデオ通話がサポートされました