携帯電話料金の値下げがこのタイミングになった理由について聞かれると、吉澤社長は「これまで、多様なニーズに応えるべくお客様還元を実施してきましたが、その一方で『料金プランが複雑』『おトクが感じられない』という声も頂いていた」とコメント。

2017年4月のbeyond宣言でドコモは、料金、サービス、ポイント施策などの分野でマーケットリーダーになるという目標を掲げていました。これに関係して「大胆な料金の見直しを行い、お客様に実感していだただくことを、できるだけ早い時期にやらなければいけないと考えました。来年度は下期から新規事業者(=楽天モバイル)が参入します。市場環境も変化するでしょう。そこで19年度の第1四半期にスタートすることで、先んじて回線契約、会員サービスの顧客基盤を強化できる。いまやることで競争力を強化でき、長期的な価値の向上が図れると考えました」と説明しました。

  • ドコモが2017年4月に発表したbeyond宣言では、マーケットリーダーになるとコミット(左)。消費者からは、分かりやすい料金プランを求める声が寄せられていました(右)

他社より安くなる?

政府からは、諸外国に対して国内の携帯電話の料金は高い、という指摘がありました。これについてコメントを求められると「(docomo withなどの)割引条件の付与によって変わります。内閣府調査のようなものも、また真実だと思う。場合によっては高い。でも違う見方をしたときには安い。しかしこれも、それだけ料金プランが複雑化しているということ」と吉澤社長。「ドコモの料金はこれ1本でいける、というような、シンプルで分かりやすいプランを発表できるようにしていきます」と説明します。

他社と比較したとき、例えば新規参入する楽天モバイルやMVNOと比べても競争できるようなプランになるのでしょうか。これについては「他社と比較しているわけではなく、ドコモのブランドの中でしっかりと料金を訴求していきたい。どこよりも高い、安いではなくて、アピールできる料金プランを提供することで、お客様からの支持を得るという考え方です」としています。

また、携帯通信事業者が儲けすぎている、との見方がされている件については「何をもって儲けすぎか、という話にもなる。海外のVerizonやAT&Tといったキャリアと営業利益を比較しても、遜色ないか、ドコモよりもっと儲けているところもたくさんあります」と反論しました。


「我々としては、常にお客様、株主への還元や、継続的な投資をしていかなければいけない」と吉澤社長。今回の新料金プランの発表については「政府から料金値下げの話もありましたが、料金のマーケットリーダーを目指すドコモが、自主的に発表したと考えて頂きたい」と説明していました。