ディスプレイ表面をプレスする(強めに押す)と作動する感圧タッチ機構「3D Touch」は、iPhone 6s/6s Plus以降のモデルで継続採用されてきましたが、10月に発売された「iPhone XR」には採用されていません。その代わり、画面を長押しすると軽い振動でフィードバックする「Haptic Touch」が採用されており、3D Touch相当の機能を提供します。

Haptic Touchの効果は3D Touchとよく似ていますが、完全に同じではありません。コントロールセンターのボタン類はほぼ同様に使えるものの、ホーム画面に表示されたアプリアイコンをプレスすると現れるサブメニュー(クイックアクション)など使えない機能もあります。すでにiPhone 6s/6s Plus以降のモデルを利用していてiPhone XRへの機種変更を検討しているのならば、3D Touchを使えないことを受け入れるしかありません。

3D Touchを応用した"小ワザ"が使えなくなる覚悟も必要です。たとえば、LINEのトーク一覧画面でプレスすると既読をつけずにメッセージをプレビューできるワザは、現在のところiPhone XRでは使えません(長押しするとトーク画面が開いて既読が付いてしまう)。クイックアクションに慣れたユーザも、アイコンをプレスすると震えだすので戸惑うはずです。

とはいえ、今後はHaptic Touchでも3D Touchと変わらない操作性を実現するアプリが増えると考えられます。ひょっとすると、リアルな振動を生み出す小型モーター(Tapticエンジン)を廃止する前触れかもしれませんから、注意深く見守る必要がありそうです。

  • iPhone XRの「アクセシビリティ」画面には、3D Touchをオン/オフするスイッチがありません