iOSに標準装備の地図アプリ『マップ』は、住所・地名を入力して周辺地域の地図を表示するのはもちろん、現在地から目的地までのルート案内や世界の主要都市を上空から眺める「Flyover」など、多くの機能が用意されています。サードパーティー製地図アプリも人気ですが、メールに記載された住所をタップしたりSiriにルート案内を依頼したりと、純正アプリの強みを生かせるアプリ間連携では『マップ』が頭一つ抜けた存在です。

しかし、インターネット/クラウドと連携した情報の厚みという点では、サードパーティー製アプリに及ばない部分があります。たとえば、「Googleマップ」は都心のデパートや商業ビルのフロアー別間取り情報を表示できるなど、圧倒的な情報量を誇ります。フロアー別の間取りは『マップ』も表示できますが、「Googleマップ」に比べると対応する施設はわずかです。

リアルタイム性が求められる情報も、「Googleマップ」が大きくリードしています。道路の混雑レベルを4段階に色分けして表示できるほか、その状況を踏まえたうえでのルート案内が可能です。その情報源もGoogleならでは、画面に表示した周辺にあるスマートフォンから提供を受けた情報を利用し、刻一刻と変化する混雑状況を追うことができるのです。

『マップ』も同様の機能を装備しており、そのON/OFFを行うものがご質問にあった「交通情報」スイッチです。ON(緑色の状態)に切り替えれば、地図上にある道路の混雑レベルが表示され、工事中/事故が発生した場所もひと目で確認できます。

しかし、2018年10月現在、日本では交通情報が提供されていません。ニューヨークなど欧米の主要都市はいざ知らず、「交通情報」スイッチがON/OFFどちらであっても日本の都市では変化なしです。Appleが交通情報の提供を始める日を待ちましょう。

  • 「交通情報」スイッチをONにしておくと道路の混雑状況などが表示されますが、残念ながら日本ではサービス未実施です