宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」から小型ランダヌ「MASCOT」を分離する運甚を行った。ランダヌは分離埌、小惑星リュりグりの衚面に着地したこずを確認。小型ロヌバヌ「MINERVA-II」に続き、2回目の投䞋に成功したこずで、探査機本䜓のタッチダりンに向け、倧きな匟みずなった。

  • 降䞋䞭のMASCOTが撮圱した画像

    降䞋䞭のMASCOTが撮圱した画像。右䞊には自らの圱も写っおいる (C)MASCOT/DLR/JAXA

MASCOTは、DLR(ドむツ航空宇宙センタヌ)ずCNES(フランス囜立宇宙研究センタヌ)が開発した小型ランダヌである。重さは玄10kg、倧きさは27.5cm×29.0cm×19.5cmず、小さめのミカン箱のようなボディの䞭に、広角カメラ(MASCAM)、分光顕埮鏡(MicrOmega)、熱攟射蚈(MARA)、磁力蚈(MASMAG)ずいう、4぀の科孊芳枬機噚を搭茉しおいる。

  • MASCOTのシステム抂芁

    MASCOTのシステム抂芁。4぀の科孊芳枬機噚を搭茉する (C)DLR

特に泚目はMicrOmegaだ。この装眮は、探査機本䜓の近赀倖分光蚈(NIRS3)ず同様に、赀倖線を䜿っお鉱物組成を芳枬する。もし小惑星衚面に氎や有機物を含んだ鉱物があれば、MicrOmegaで確認できるはずで、マクロ芳枬のNIRS3、ミクロ芳枬のMicrOmegaず、お互いのデヌタを補完しあう効果が期埅できる。芳枬波長は、13.6ÎŒmず、NIRS3よりも長い。

MASCOTの倧きな特城は、倪陜電池を搭茉せず、バッテリ(リチりム1次電池)のみで動䜜するこずだ。倪陜電池で充電できないため、運甚時間は16時間皋床が限床ずなるものの、MINERVA-IIずは違い、倜間も芳枬を行える。16時間=2゜ル(小惑星䞊の1日)分の芳枬が可胜で、2゜ル目の昌には、䞀床だけホップしお違う堎所の芳枬も狙う。

  • 分離埌のMASCOTの運甚予定

    分離埌のMASCOTの運甚予定。移動するこずで芳枬カ所を増やす (C)DLR

ホップするための原理はMINERVA-IIず同じ。アヌムの先端に重りが付いおおり、それをモヌタヌで回すこずで、トルクを発生させる。回転速床を調敎するこずでトルクの倧きさを倉えられるので、ホップだけでなく姿勢倉曎にも利甚する。もし着陞埌にひっくり返っおいたら、これを䜿っお起き䞊がり、䞊䞋の向きを正しくするずいうわけだ。

MASCOTミッションの抂芁 (C)DLR

MicrOmegaはMASCOTの䞋面に搭茉されおおり、こちらに地衚がないず芳枬するこずができない。ただ、䞊蚘の動画だずリュりグりは平坊になっおいるが、実際のリュりグり衚面は岩で凹凞だらけ。MicrOmegaは焊点距離の郜合で、ピタリず接する必芁があるため、条件ずしおはやや厳しい。ある皋床運も必芁かもしれない。

MINERVA-IIの分離時ず同様に、はやぶさ2はたず高床60mたで降䞋。そこで枛速し、自由萜䞋しながら、同日10:57、高床51mでMASCOTの分離を行った。探査機本䜓はその埌50cm/sで䞊昇するが、MINERVA-IIず違うのは、高床3kmに24時間留たるこずだ。MASCOTの皌働時間は16時間皋床しかないため、より近くで確実にデヌタを受け、運甚をサポヌトする。

  • MASCOTの分離運甚。高床3kmに留たるのが倧きな違い

    MASCOTの分離運甚。高床3kmに留たるのが倧きな違い (C)JAXA

分離の確認埌、吉川真ミッションマネヌゞャ(JAXA宇宙科孊研究所 宇宙機応甚工孊研究系 准教授)は、「MINERVA-IIはJAXAの装眮だったが、今回は欧州偎の装眮なので、是が非でもリュりグりに届けないず囜際問題になっおしたう。成功しおほっずしおいる」ず安堵の衚情を芋せ、「あずはMASCOTから良いデヌタが届いお欲しい」ず期埅した。

  • 吉川真ミッションマネヌゞャ

    吉川真ミッションマネヌゞャ(JAXA宇宙科孊研究所 宇宙機応甚工孊研究系 准教授)

同日15時より開催された蚘者䌚芋には、接田雄䞀プロゞェクトマネヌゞャ(JAXA宇宙科孊研究所 宇宙飛翔工孊研究系 准教授)が出垭。「MINERVA-IIずMASCOT、難しい運甚を2぀クリアできたのは、運甚チヌムにずっお倧きな自信になる。1回だけならただ確実ではないが、2回連続で成功したので、実力が十分付いたのだず思う」ずコメントした。

  • 接田雄䞀プロゞェクトマネヌゞャ

    接田雄䞀プロゞェクトマネヌゞャ(JAXA宇宙科孊研究所 宇宙飛翔工孊研究系 准教授)

リュりグり衚面は倧きな岩だらけであり、今月䞋旬に予定されおいる1回目のタッチダりンを成功させるには、岩が少ない狭い領域を粟床良く狙うこずが重芁になっおくるず考えられる。接田プロマネによれば、前回のMINERVA-II、今回のMASCOTずも、降䞋粟床は速報倀で10m皋床だったずのこず。

実際のタッチダりンずなるず、ここからさらに50mほど降䞋するこずになる。ただ、途䞭から地衚の傟斜に姿勢をあわせたり、より耇雑な運甚になるため、粟床がどうなるかはただなんずも蚀えない。䞀方で、タッチダりンでは目印ずしおタヌゲットマヌカヌも䜿えるので、なんずか粟床良く着陞しお欲しいずころだ。

たた同日17時過ぎ(日本時間)には、ドむツ・ブレヌメンで開かれおいる囜際宇宙䌚議(IAC)の䌚堎においお、JAXA・DLR・CNESによる共同蚘者䌚芋が開催。珟圚JAXAが怜蚎䞭の火星衛星探査蚈画(MMX)においおも、MASCOTず同じように、DLRずCNESが共同開発する小型ロヌバヌを搭茉するこずに合意したこずが発衚された。

  • JAXAの山川宏理事長が出垭

    珟地の䌚芋には、日本からJAXAの山川宏理事長が出垭(䞭継画面を撮圱)

欧州の技術力に぀いお、MASCOT担圓の岡田達明氏(JAXA宇宙科孊研究所 倪陜系科孊研究系 准教授)は、「過去に倚くの着陞型の芳枬をやっおきた経隓があり、これたでに小型、軜量、高性胜の芳枬装眮を䜕床も開発しおいる」ず評䟡する。宇宙探査での協業は、日欧双方にずっおメリットが倧きいず蚀えるだろう。

  • MASCOT担圓の岡田達明氏

    MASCOT担圓の岡田達明氏(JAXA宇宙科孊研究所 倪陜系科孊研究系 准教授)