imecは、太陽光発電研究コンソーシアムEnergy Villeと共同で、大面積片面スクリーン印刷方式のリアエミッタn型PERT(Passivated Emitter and Rear Totally diffused)太陽電池で変換効率23.03%(独フラウンホーファーISE CalLabが定めた手法に基づく測定値)を達成したと発表した。
今回開発されたnPERT太陽電池は、従来のpPERC(p型不動態化エミッタおよびリアセル)プロセスのアップグレード版として設計され、業界で広く使われているスクリーン印刷プロセスを使用して作製されたもの。imecの計画によると、nPERTセルの変換効率を2018年末までに23.5%へ向上させ、最終的には24%を上回る効率にしたいとしている。
pPERC太陽電池は太陽光発電産業において主流になりつつある一方、nPERT技術は多くの利点を有する費用対効果の高い競争相手として開発が進められている技術。nPERTには、BO錯体が存在しないため、 光誘発劣化(LID)に悩まされることはなく、金属不純物にも敏感ではないという特徴があり、長期間の安定性や、より高い効率の実現が期待できるという。
なお、imecでは今回、社内の試作ラインで、業界に普及している製造装置やレシピを使ってM2サイズ(面積244.3cm2)のセルを作製。pPERC製造プロセスの改良版として、照射面にはN+領域(Front Surface field:表面電場)を設け、裏面にはリアエミッタとしてn-領域を設けたほか、pPERC製造用装置に、費用対効果の大きなボロン拡散工程を追加することで実現したという。