SQUARE ENIX
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冒頭でもちょっと触れたが、NVIDIAのRTXに対応したゲームの中で、唯一出荷されているのがこのShadow of the Tomb Raiderである。発売は9月14日であるが、諸々の事情で当初はベンチマーク結果をお届けできない可能性があった。とりあえず無事に結果を示せて何よりである。

問題は現在のバージョン(v1.0 build 230.8_64)がRTXを活用しているかどうか、がはっきりしないことだ。NVIDIAの公開した動画では、さまざまな色のネオンとか子供が持つ花火に応じて、色や影がリアルに反映される様子が示されているが、肝心のベンチマークの中ではこれを使っている形跡が見当たらないからだ。

また、設定にもそれらしいものが見つからないのも問題である。しいていえばScreen Space Reflections(Photo40)とかScreen Space Contact Shadows(Photo41)であるが、これは説明にもあるように、ray-marchingによる実装で、GeForce RTXだけでなくGeForce GTXでも有効にできる。これらを有効にした状態でGeForce RTX 2080/2080 Tiでベンチマークを行っても、映像は先の動画の様にはならなかった。

  • Photo40:Ray-marchingはRay Tracingの一種ではあるが、RTXの実装しているRay Tracingとは異なる技法と筆者は理解している。これをチェックすると、光の反射をRay-marchingを利用して描画する

  • Photo41:こちらは影の描写にRay-marchingを利用するというもの

そんなわけで、少なくともベンチマークに関しては現時点ではRTXを利用していない、と考えざるをえない。このあたり、あるいはゲームではちゃんと動作するのかもしれないし、あるいは将来のバージョンで有効になるのかもしれないが、現時点ではRay Tracing(というかRTX)のことは考えない。

ということでテスト手順である。起動するとまずメニューが出てくるので(Photo42)Optionを選び(Photo43)、DisplayTabで解像度やV-sync、Anti-Aliasingなどを設定する。次にGraphicsTab(Photo44)でPresetを選択し、OKを押して確定してからゲームをスタートする。

  • Photo42:この方式はRise of the Tomb Raiderなどと一緒

  • Photo43:設定項目そのものは殆ど同じな気がする

  • Photo44:ちなみにこれをHighestにしても、Ray Tracingが使われている様には思えなかった

ゲームが始まると、以前はメインメニュー(Photo45)からベンチマークがスタートしたが、Shadowsでは"OPTIONS"(Photo46)の下の"DISPLAY & GRAPHICS"(Photo47)に入り、ここでベンチマークをスタートする。ベンチマークが終わると、こんな形で結果が示されて終了である。これまで同様、My Documentsの下にサマリーとフレームレートが自動で保存される。

  • Photo45:前は解像度を変えてからいちいちここまで戻ってこないとベンチマーク出来なかったので、個人的には便利になったと思う

  • Photo46:ここにもTOBII EYE TRACKINGの文字が

  • Photo47:複数回のベンチマーク起動が楽になった

  • Photo48:右のグラフは、マウスを使って任意箇所の結果が見られる

設定であるが、Display設定画面で

  • Resolution:1920×1080/2560×1440/3200×1800/3840×2160
  • VSync:Off
  • Anti-Alias:TAA

とし、あとはデフォルトのままとする。またGraphics設定画面で

  • Preset:High

とし、あとはデフォルトのままとする。

ということで結果である。Rise of the Tomb Raider同様に3つのシーンを実施するが、前と異なり結果はまとめて1つで示されるようになった。サマリーだが、平均フレームレート(グラフ35)を見ると、綺麗にグラフも分離しており、Rise of the Tomb Raiderよりは描画負荷が増しているようだ。

最大フレームレート(グラフ36)では、Full HDでGeForce RTX 2080 Tiのみちょっと頭打ちになっているようだが、あとはセオリー通り。最小フレームレート(グラフ37)は、GeForce GTX 1080 Tiで値が暴れているが、それを除けばほぼセオリー通りの結果となっており、それぞれのGPUの性能がそのまま反映されている感じだ。

グラフ38~41がフレームレート変動である。Full HD(グラフ38)では描画能力にゆとりがあるためか、多少グラフの山の位置が変動しているが、それ以上の解像度だと山の位置もきちんと決まっており、それぞれの性能のリミットも見えてくる。

GeForce GTX 1080はFull HDならば問題ないが、それ以上だとちょっと厳しい。GeForce GTX 1080Tiは2560×1440は楽勝だが、3200×1800はかろうじて、といった程度。もっともGeForce RTX 2080も4Kは厳しく、3200×1800が実用上限といったところで、4Kが実用になるのはGeForce RTX 2080 Tiのみといった感じに見て取れる。