日本では何度もコーヒーブームが起きていますが、2018年現在は「第四のコーヒーブーム(フォースウェーブ)」といわれます。フォースウェーブの特徴は「こだわり」。高品質なコーヒー豆を使い、豆の挽きや湯温、コーヒーを抽出する道具などにもこだわったコーヒーに人気があります。

そんな「こだわり」を集めたのが、ツインバード工業が8月30日に発表した「全自動コーヒーメーカー CM-D457B(以下、CM-D457B)」です。CM-D457B最大の特徴は「自分だけの一杯」がつくれる点。そしてコーヒーにこだわっている人も満足できる高いレベルの味だといいます。会場ではCM-D457Bでの試飲もありましたが……たしかにおいしい! 焙煎の香ばしさや苦味、コクはしっかり感じられるのに、爽やかな酸味のあとの後味がスッキリしています。

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    豆のグラインドからドリップまでボタンひとつでできる「全自動コーヒーメーカー CM-D457B」。コンパクトでシンプルなデザインも魅力的です

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    会場でCM-D457Bでドリップしたコーヒーを試飲するマイナビニュースの(自称)アイドル編集部員。感想は「おいし~」「うめー!」。もう少し具体的に表現してほしいものです

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    会場では深煎りの「バッハブレンド」と、浅い煎りの「パナマ・ドンパチ」を試飲できました。深煎りのコーヒーでは嫌な雑味がなく後味が良好、浅煎りは爽やかな香りが印象的でした

コーヒー界のレジェンドが監修「自分だけの一杯」

ツインバード工業によると、CM-D457Bの開発で最初に目指したのは「丁寧に入れたハンドドリップの味」だそう。そのため、CM-D457Bは開発段階から「田口護の珈琲大全」の筆者、コーヒー界のレジェンドともいわれる「カフェ・バッハ」店主の田口護氏に監修を依頼しています。

発表会に登壇した田口氏は「コーヒーは正しい作法でたてればおいしくなる」といいます。ただし、個人によって「おいしい」と感じるコーヒーの特徴はそれぞれ。このため、田口氏は「コーヒーメーカーの利点であり、最大の欠点でもあるのが画一的にコーヒーをドリップすること」だと分析。個人によってコーヒーの「苦味」や「香り」、「コク」などに好みのバランスがあるにもかかわらず、コーヒーメーカーはどんなシチュエーションでも「同じコーヒー」しかドリップしないのです。そして、今回発表されたCM-D457Bは、複数の設定を自分でいじって「自分好み」なコーヒーを入れられる特徴があります。

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    コーヒー界のレジェンドともいわれる田口氏。CM-D457Bの発売に「コーヒー店を営む者として、恐ろしいものができた思うけれど、これを機に家庭内でのコーヒー消費量が増えたら嬉しい」とコメント

高価な低速臼式ミルを採用

CM-D457Bはコーヒー豆の挽きからドリップまでをワンタッチでできる「全自動」のコーヒーメーカーです。随所にこだわりが見受けられるなか、筆者がとくに注目したのがコーヒー豆を挽く「低速臼式ミル」の存在。ミルにはさまざまな種類がありますが、ほとんどの全自動型コーヒーマシンに使われるのは、ミキサーのように豆を回転刃で削って細かくする「プロペラ式」というもの。ところがCM-D457Bは豆を挟んですりつぶす「臼式」のミルを採用しています。

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    二つの刃の間に豆を挟んで挽く「臼式」のミル

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    簡単に取り外せるので掃除が簡単なのも魅力的です

臼式はプロペラ式と比較すると、豆を均一に挽く傾向があるため、コーヒーにこだわりのあるユーザーが選ぶ方式。とはいえ、プロペラ式より高価なうえにパーツとしても大きく重くなりがちなので、コンパクトで手ごろな家庭用全自動コーヒーメーカーに採用されることは少ないのです。

自分好みの味にするためのポイントは4つ

最初に書いたように、CM-D457Bで特徴的なのが「自分好み」の味がつくれること。「自分好みの味」をつくるためのポイントは4つあります。

1つ目が、前述した豆を挽く「ミル」の存在です。CM-D457Bでは豆の挽きを細挽き、中挽き、粗挽きの3段階から選択可能。このとき、細引きだとパンチのある味、粗挽きにするほど雑味のない味が楽しめます。

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    豆を投入後、正面にあるダイヤルを回すことでコーヒー豆の挽きの粒度を3段階から選択できます

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    矢印のダイヤルから、挽きの粗さを調節できます

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    こちらがCM-D457Bで「粗挽き」で引いた豆。ミルで豆を挽くだけのモードもあるので、「時間のある週末は豆だけ挽いて自分でハンドドリップ」という選択肢も

2つ目が、他社のコーヒーメーカーにはあまり搭載されていない「湯の温度設定」。田口氏によるとコーヒーの味は、豆の「粒度(挽きの粗さ)」や「湯温」、「蒸らし湯量」などで変化するといいますが、CM-D457Bはお湯の温度を「83度」と「90度」の2種類から選択できます。

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    左から2つ目のダイヤルで湯温を設定。さらに左から3つ目のダイヤルで「杯数」を決めると蒸らし時間を変えられます。操作がダイヤル式というのもレトロでスタイリッシュ

3つ目は「蒸らし時間」。ドリップコーヒーは最初に極少量の湯で豆を湿らせて「蒸らす」作業を必要とします。CM-D457Bには、抽出杯数を1杯から3杯まで選べる設定ダイヤルがありますが、この抽出杯数によって蒸らす時間が変わるのです。

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    会場でコーヒー粉を少量のお湯で「蒸らし」たところ。まんべんなく粉にお湯がいきわたっているのがわかりますね

最後に「湯量」。一回のドリップでタンク内の水すべてを使い切る仕様のため、ドリップするコーヒーの量はタンクに入れる水量で決まります。アメリカンのように薄めのコーヒーが好きならば目盛りより多くの水を入れ、濃い味が好きならば水を少なめに投入することで味を調節できるそうです。

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    本体後ろ上部から水を注ぎます。ここに注いだ水を使い切る仕様なので、水の量で味の濃さを変えることも可能です

  • 全自動コーヒーメーカー CM-D457B

    付属するサーバーにある1杯~3杯の目盛りが標準的な水の量。この目盛りよりも多く水をいれると薄く、少なくすれば濃いコーヒーがドリップされます