続いては、冷暖房の連続運転、独自のフィルターおそうじロボット、アクティブクリーンフィルターなどを動かし続け、耐久性の試験を行う部屋です。日夜休みなく動かし続けて、耐久性をチェックします。

エアコンの標準的な使用期間は10年とのことですが、いくら耐久試験とはいえ10年間つけっぱなしにするわけにはいきません。そこで、買い替えとなった古いエアコンを回収、分析して、数カ月間でも10年分の試験ができる独自の加速耐久試験を採用しています。

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    複数のエアコンを同時並行で動かして試験。フィルターおそうじは16,500回、アクティブフィルターは320,000回、動かすそうです

ロボットで吹き付ける「ホコリレスコーディング」

パナソニックのエアコン、ブランド名は「エオリア」。この名前には、家族の健康を願って水や食べ物を選ぶように、きれいな空気で過ごしてほしいという願いが込められています。そのため、パナソニックは「キレイな空気」にこだわっています。どれくらいかというと、社員の中に「ホコリのプロ」がいるほど。

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    ホコリのプロこと、久保さん。独自に配合したホコリ(長いホコリ、短いホコリ、微細な粉塵、油)を使って、ホコリの付着実験などを行います

まず、全国107カ所から使用済みエアコンのフィルターを取り寄せて、付着しているホコリを解析。それをもとに独自の「ホコリのレシピ」を作成し、検査を行います。検査用の実験機は久保さんのオリジナル。

手作り感あふれる実験機でしたが、これならキッチンから出る油煙汚れの影響や、リビングでホコリが舞い上がる様子なども検証できるだろうな、と思うようなものでした。手作り感たっぷりの実験機、見られたら恥ずかしい! ということで非公開。写真は撮影できませんでした。残念……。

久保さんのオリジナル実験機で付着させたホコリは、フィルターのお手入れといった、エアコンのクリーン機能の検証に使用されます。パナソニックでは、工業会の基準にプラスして独自の光透過測定を行い、キレイな空気にこだわっています。

新型の「エオリア」は、そもそもホコリを蓄積しにくくする作りにも注力しています。それが「ホコリレスコーティング」です。熱交換器の表面とフィンの切断面に独自のコーティングを施し、ホコリをたまりにくくしています。

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    ブラックライトで照らすと、ホコリレスコーティングを施していない熱交換器はホコリが光っています

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    写真上は一般的なコーティング、写真下はホコリレスコーティングを施したもの。水につけると、ホコリレスコーティングからはホコリが落ちています。冷房運転時には熱交換器に水が付着するので、冷房運転時に熱交換器のホコリが落ちるということ

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    ロボットアームによってムラなくコーティング。この設備は、ロボットなど含めてホコリレスコーティング作業のために開発したものです